盛岡食いしん爺日記
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4月26日土曜日の西和賀。
利久庵で蕎麦を食べカタクリの群生地、安ヶ沢へ行ってみた。
曇り空で風が冷たい。
駐車場には雪が残残る。
まだ早いかもしれない。
森の入口の水辺に水芭蕉。
群生地の森の入口にカタクリが数輪咲いていた。
先に進んだが、紫の妖精の姿はない。
奥から帰って来た人に聞くと、
見当たらなかったと言う。
車に戻った。
西和賀には何度か来ていたが、
殆ど車で走るだけだった。
錦秋湖を望むロケーションの素晴らしいカフェがあると、
仕事仲間から聞いた。
素敵なオーナー夫妻が頑張っているのがネビラキカフェだった。
2020年のことだ。
湖を眺め美味しい珈琲とベーグル。
ベーグルは、B&BのKatasumi(カタスミ)で作られていた。
西和賀沢内にある一組限定の宿。
数年前、たまたま見たSNSで、
朝、昼と夕方に鳴るチャイムに合わせ、
歌う様に吠えるワンちゃんがいた。
しかし、年をとり歩くこともできなくなった。
リヤカーで散歩。
それでもチャイムに合わせて吠える。
しだいに声が小さくなっていった。
横たわっていながらもチャイムが聞こえると、
微かな一声を上げ逝ってしまった。
その後、溢れる情報の渦に埋もれ、
場所を探せなかった。
ネビラキカフェで聞いたベーグルのカタスミを調べると、
記事の中にワンちゃんの動画。
最後まで歌っていたワンちゃんはカタスミで暮らしていた。
訪れたくなり、
2021年の3月、
残雪の中をカタスミのオーナー夫妻がガイドするスノーシュー体験に行った。
ワンちゃんの話も聞いた。
夫妻に肉の加工の「伯楽」に連れて行ってもらい、
佐々さんと話すことができた。
木の器やランプシェードのwaranoue(わらのうえ)、
木工のnoKKa(ノッカ)などのことやカタクリの群生地なども教えてもらった。
その後、焼地台公園の111coffeeでゆっくりし、
湯本温泉街のお菓子処たかはしへ。
「あら、いらっしゃい」
会うたびに元気に若くなっている様だ。
店の奥でフィナンシェの金を焼いていた。
奥さんが出来たてのフィナンシェの金を持ってきた。
甘い香り。
バターと蜂蜜だ。
底の方がカリッとして後はしっとり。
まだ温かい。
地元産の蜂蜜を使い、後味のよい甘さで美味しい!
たっぷり抹茶の入ったフィナンシェも絶品。
西和賀で作られる本わらび粉を使い手作りの西わらび餅も買った。
忙しそうだったので早めにお菓子処たかはしを後にし、
ノッカ&草薬庵で久し振りにオーナー夫婦と少し話して買い物。
Deborah's Theme (Once Upon a Time in America)---Ennio Morricone
盛岡に帰る前に錦秋湖の埋没林を見に行った。
今の時期だけの神秘的な世界。
エメラルドグリーンに埋もれながらも萌黄色の樹々。
静かだった。
陽もだいぶ傾いてきた。
さあ、帰ろう。
ネビラキ、B&Bのカタスミ、わらのうえの木工などは次回の楽しみ。
西和賀の探訪は毎年の様に色々な発見があり、
もう一日では回り切れない。
今日、伯楽のオーナーとも久し振りに会えた。
心豊かになって盛岡を目指した。
家に帰り、
西わらび餅を食べる。
透明感のあるほのかな甘味、
プルンとした西わらび餅は口の中で溶けていく。
変わらずに美味しい。
2019年の旧盆の頃。
たまたま通った湯田温泉街で鬼剣舞を見た。
その写真をSNSにアップすると、コメント。
「後ろで笛を吹いているのが私で、息子も舞ってました。
温泉街でお菓子屋をやっています。
いつか、わらび餅を食べてみて下さい。」
その後、西和賀に来て西わらび餅の美味しさに感動。
毎年の恒例になった。
西和賀に行くたびに人との繋がりができ、
行きたい場所、食べたいもの、逢いたい人が増えるばかり。
奥羽山脈の懐の小さな町には、
何か人を惹きつけるものがある。
わらび餅を食べながら、
そんなことを思った。