盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
If Only For One Night · Dave Koz · Brian Culbertson
ようやく北国にも春の兆し。
昼下がり、窓から空を見ていた。
うずうずしてくる。
3時近くになって車のキーをポケットに入れた。
柔らかな風に誘われるまま盛岡から南へ。
大迫町へ着いた。
産直を覗いてみた。
同じ敷地内にある「ミルク工房 ボン・ディア」。
大迫で飼われている「ブラウンスイス牛」。
しぼりたて生乳を100%使用した人気の「ボン・ディアソフト」。
ブラウンスイス牛を初めて知ったのは西和賀町だった。
乳牛でもあり、肉牛としても育てられていた。
そのハムやソーセージを食べたことがある。
ミルキーな肉質に感動したことを覚えている。
傾きかけた陽光を浴びながらソフトクリーム。
まろやかな甘さが口の中に広がる。
濃い味なのに後味がいい。
美味しい~
今年、盛岡で育ったキウイを食べる機会があった。
冬がきても吊るしたままで、ゆっくり収穫。
摘んでからもしばらく熟成させると聞いた。
ここの産直にずらりと並んでいたので驚いた。
ひとパックを籠に入れた。
レジで大迫の雛祭のことを聞いてみた。
今年も賑わったそうだ。
江戸時代からのお雛様を商家などが飾る。
今はあちこちで見かけるが、早くから始めたらしい。
昔は大きな商家が並び豪華なお雛様を競って飾った。
子供達は家々を見て回る催事だった。
早くからイベントとして成り立つ歴史があったのだろう。
遠野まで足を伸ばしたが、
着く頃にはとっぷりと暮れていた。
空腹に気がつく。
遠野の食肉センター直営の店遠野食堂ラムジンに入った。
遠野のほかに矢巾町、盛岡の木伏にもジンギスカンの店を出している。
初めて入った時のことを思い出した。
東日本大震災の後、被災地に何度も行った。
その帰り、遠野を通った。
昼過ぎに通りかかると同乗する人が言った。
「ランチは遠野食肉センターにしませんか?」
その人は、ジンギスカンは嫌いだったが、
ある人に「騙されたと思って食べてみて」と言われ、
しぶしぶ入ったそうだ。
覚悟を決めて、小さくちぎってひと口。
臭みもなく美味しかった。
それから、ここのジンギスカンのファンになったと話していた。
ロースとランプ。
ラムは、臭みもなく柔らかい。
何より脂がほんのり甘く美味しい!
ジンギスカンに大切なタレ。
中辛にした。
肉に隠れて野菜。
特に、もやしがたっぷり。
これが嬉しい。
タレとモヤシだけでもご飯がすすむ。
店を出ると遠野の空に満月。
さて、盛岡へ帰ろう。
翌朝、パンを食べた後、キウイを出した。
酸味が熟成され、ほどよく甘酸っぱい。
キウイひとつで食卓が爽やかになった。