盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
盛岡の西の隣、雫石町の鶯宿温泉に行った。
風呂から上がるとメール。
「夕飯、どう?」
「いいよ」と返すと、
「開運橋通のCafe RHINO(ライノー)で7時」。
Mr. Sandman - Prague Cello Quartet
数分早く着くと、もう来ていた。
お洒落な店だ。
一度、来たが珈琲だけで、ご飯は初めて。
夜はワインが似合いそうな店。
窓際のカウンターで、ゆっくりひとりご飯もよさそうだ。
先に来た方が頼んでいた「八幡平マッシュルームとイカのネギ塩炒め」。
八幡平マッシュルームは、歯ごたえがよく香りと後味のよさが評判。
役目を終えた馬が暮らす「ジオファーム八幡平」で作られている。
美味しい~
チキンと野菜のカレー。
「美味しいねぇ~」と幸せそうな顔。
私もガッツリ食べようと思いハンバーグ定食にした。
つなぎなしで肉がギュッと詰まっていた。
箸で黄身を割ると、味変ってやつ。
盛岡の日曜の夜、ご飯系の店は休みが多い。
7時を過ぎると街中では食べる所が限られてくる。
ご飯は雑穀入り。
久し振りの柴漬け。
無言で食べていた。
向かいの人が顔を上げ、「さっぱり話が進まない」と言う。
2人で笑った。
食べ終え、お茶を飲みながら話し始めた。
仕事の方は概ね考えが一致。
2人とも「マサラチャイ」。
メニューの説明に惹かれた。
「夏摘みアッサムにジンジャールート・カルダモン・カシアを含む
5種類のスパイスで構成した本場インド仕込みチャイ」。
とても香りがいい。
雑談になり、
「温泉には行ってるの?」ときた。
「うん、今日も温泉帰り」。
カメラを渡し写真を見せ、雫石川園地の白鳥の話をした。
岩手山を背景に羽ばたく。
ひっきりなしに食べている。
長い首や顎が疲れないのだろうか。
北へ飛び立つ日に備えて体力づくり。
求愛だろうか?
成就したら、どんな所で子育てをするのだろう。
みんな仲良しだ。
温泉の帰りにも寄ると、食事を終えたようだ。
集まって気をつけの姿勢。
数羽ずつ飛び出した。
奥羽山脈を背景に弧を描き近くの森へ飛ぶ。
月も出ていた。
西の空が赤くなってきた。
十数羽のV字編隊が次々に飛んで来る。
何百という数。
同じ森に向かうのだろうか。
夕焼けを背に羽ばたく。
しばらく見惚れていた。
白鳥の写真を撮り、温泉に入り、こうしてご飯を食べている。
何だかんだといっても平和な国。
「南海トラフ地震のことをテレビでやってたよ、
東日本大震災の時を思い出すよね」と言う。
あの時、私は職場の部屋にいた。
人の背丈ほどもある書棚4つが踊りだし、
ジグザグになり、ドアが狂ったように開閉し鈍い音をたてた。
揺れが更に酷くなった時、一瞬、この世の終わりかと思った。
もうすぐ、あの3月11日。
Cafe RHINO
〒020-0026 岩手県盛岡市開運橋通2−33