盛岡食いしん爺日記
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関東から岩手に来て数年が過ぎた人と会った。
今まで通り抜けるだけだったという紫波町を巡ることにした。
実は私も十年ほど前までは、そうだった。
花巻や県南に出かけ、紫波町はただの帰り道。
そのまま走り抜けた街。
助手席に乗せ走り始めたのは昼頃。
まずはランチにしよう。
国道4号線沿いにある甘味処「高福」の看板が見えた。
宮城県から青森県まで岩手の内陸を突き抜ける国道4号。
人と物の大動脈だけに交通量も多い。
車を店の前に停めると、
「え~ ここでランチできるんですか?」
「はい」
「だって、なになに普通の家、あれ餅屋さんですよ」
「まあ、中に入りましょう」
You'd Be So Nice to Come Home To · Art Pepper
入ると、その人は声を上げた。
「え~ビックリ!なかは素敵だなぁ~」
キョロキョロしている。
こんなに驚くとは思っていなかった。
想い起せば自分だって初めての時は
「中はどんなだろう?」
とゆっくりドアを開けたものだ。
高福は、創業明治40年。
餅店として始まり、百年の歴史がある。
オーナーの高橋さんは4代目で、
以前に「歴史と共に色々と時代に合わせてきた。」
と話していた。
昨年の暮れから訳あって一人で店を切り盛りしている。
そのせいか少し疲れている様だ。
小さな店だが私たちが座ってほぼ満席。
しばらく互いの近況などを話し合う。
元気そうでひと安心。
こっちの顔はどう映っているのだろう。
前菜が置かれると、話は食べ物のことに。
椿の実を使った箸置きにも感激している。
地元の野菜たっぷり。
海老餅も。
流石に老舗の餅屋だけあって美味しい。
私はトマトソースのハンバーグ。
身体に優しい味に感じる。
作り手の想いがこもった料理は熱々で美味しい。
チーズとトマトソースをたつぷりつけてハンバーグを食べる。
食材の個性が纏まり、いいバランス。
美味しい~
バッケ(フキノトウ)の味噌汁。
待ちかねた北国の春の香り。
向かいは豚肉のしょうが焼き。
ここのランチは何種類も野菜が使われている。
こちらを見て
「癒される~」と微笑む。
高福にしてよかったと思った。
私は我儘を言い、
味噌汁をお代わり。
デザートも美味しい。
ここのパフェも美味しいと紹介しておいた。
「一人で来てもゆっくり食べられますね」
テーブル席が3つとカウンターも2、3席ある。
さて、食欲を満たした後は紫波町巡り。
懐かしい雰囲気が漂う日詰商店街もいいし、
町には4つも酒蔵がある。
日本酒にも興味津々の人は、すぐに食いついてきた。
案内する私も紫波町を巡り始めたのはここ数年。
酒蔵はつい最近に行ったばかりの初心者だ。
行く先をナビにセットした。