盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
春から事務所の移転。
これから本格的に場所探し。
ちょっとワクワク。
でも、引っ越しの前後は眉をひそめて、ため息の連続に違いない。
片付けば、窓の外を眺めて
「ここも悪くないかも」なんて思いながら珈琲でも飲んでいる。
きっとそんなところだ。
ひとつ先の未来は見えている。
たいていは予想どおりに。
子どもの頃は今日に夢中だった。
毎日、思いもよらないことが起こった。
青春時代、明日に背を向け、昨日の後悔ばかり。
年を取ると、心の揺れ幅が小さくてそれはそれで、心地良い。
ゆっくり起きてぼんやりしていた。
今日のランチは遅くなった。
直利庵へ行こう。
Bee Gees - Too Much Heaven
「直利庵にしょっちゅう行ってますよね」とよく言われる。
実は、今の事務所から近い。
とても気に入っている場所にある。
歩いて数分で着いた。
創業から100年を越える老舗そば屋「直利庵」。
近くに20階を超える高層マンションなどが建っても威風堂々。
回りに左右されない、そんな人になりたい~
天丼を頼んだ。
すると、「おやおや、食いしん爺さん」と知人。
「ここ、いいですか?」と言いながら、
プラスチックのボードの向かいに座った。
天丼がきた。
「おや、そば以外の王道ですね」と言う。
「いや、カツ丼かもしれません」と答える。
2人で笑った。
「お先します!」
薄衣に包まれた立派なエビは一直線。
どうやって真っすぐに揚げるのだろう。
プリップリのエビは、ほのかに甘い。
シイタケ、茄子のほかに長ネギもある。
そして、やはりご飯とタレがいい。
ふのりとそばが入った汁物。
あっさりとして品のよい味だなあ~
残りのご飯を箸で集めてかっこむようにして完食。
ひと粒も残さない。
向かいに牡蠣そばがきた。
その人が向かいに座るなり、何にしようかと迷っていた。
牡蠣そばを薦めたが、牡蠣はそれほど好きではないと言う。
「ここのは、いい所だけギュッと詰まって美味しいよ」と話してみた。
「へぇ~、ワカメが敷いてある、あら~柚子のいい香り!」
ボード越しの私も食べたくなる。
牡蠣を一つ食べると、こちらを見た。
目を丸くして「美味しい~」
「臭みも一切なくて、なんとも・・・」と言いながら、
背を丸くして夢中になっている。
そば湯を飲みつつ、胃も満たされてぼんやり。
今日の運動会が嫌だ。
またテスト。
夏休みが始まると、数日で宿題を終えた。
後は疲れ果てるまで遊び回る。
高校時代になると勉強する意味が分からない。
女の子が気になる。
机に座っても頬杖をついて妄想の世界。
英語の辞書は卒業の頃になっても角が立っていた。
そんな昔のことを向かいの人に話してみた。
すると、
「どこかで珈琲を飲みながら、話しましょう~」
「・・・」
どうしよう?
今日明日の仕事が詰まっている。
昔だったら「はい!」とか「おう!」とふたつ返事だったが・・・