盛岡食いしん爺日記

<音楽が流れます、音量に注意してください。>

 

 

毎年通い続けてもう二十数年。

五所川原の夏の「立佞武多(たちねぷた)」。

復活を遂げたと聞いて行った。

初めて見た時、首が疲れてしまった。

小さな佞武多からしだいに高くなり、迫力を増していく。

巨大な姿は華麗で美しい。

どよめく沿道の群衆のひとりだった。

私の夏は、立佞武多。

 

 

 

Song from a Secret Garden Cello : Yoon Kyung Cho(CelloDeck)

Millennium Symphony Orchestra

 

 

今年も向かった。

 

 

津軽平野の広い空。

雲が低いが地平線が明るい、大丈夫だろう。

 

 

 

 

立佞武多の館の辺りは祭りの雰囲気。

今年は初日に来た。

高校1年生は初めて出るのだろう。

 

 

会場の近くにある御菓子処「葉山」。

 

 

 

 

 

 

 

 

立佞武多を見に行き始めて数年経った頃、

気になった「葉山」と書かれた小さな灯かり。

趣のある玄関の格子戸。

高級割烹かもしれない、

そうだったら何か食べてみようと思った。

ゆっくり引き戸を開けた。

木の質感が漂う空間の奥に和菓子が並んでいた。

床も壁も素晴らしかった。

土壁には藁。

主はどんな人だろうと思ったものだ。

 

 

毎年、寄った。

特に話しこむわけでもなかった。

しだいに話す様になった。

回を重ねるごとに話題も広がり、時間も長くなってきた。

ある時から車を停めさせてもらうことになった。

 

 

葉山のお菓子は、3個ぐらい続けて食べてしまう。

あまり食べなかった和菓子が好きになった。

 

 

お菓子を選びながら今年も色々と話が弾む。

そろそろ始まりの時間となり、

「いってらっしゃい」

ご夫婦に送られる。

 

葉山から、ゆっくり歩いても数分。

沿道や広場に溢れる人。

 

 

見る場所を探しながら人をかき分けて歩く。

途中、津軽蕎麦で腹ごしらえ。

つなぎに大豆を使い、やわらかい蕎麦。

なんでも汁物をすする様に食べるのが津軽流らしい。

 

 

一気に食べた。

 

 

祭りは各町内の小さな佞武多から始まり、

だんだんと大きく高くなっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

夜空に映え群衆を見下ろす立佞武多。

 

 

 

 

 

 

立佞武多は、明治の中頃からの五所川原市の伝統民俗。

津軽の広大な大地の恵みの集散地で、

豪商や大地主たちが夏祭りに佞武多を出し始め、

だんだん競い合いになり、どんどん高くなった。

最盛期には30メートルぐらいのものもあったそうだ。

佞武多が街で出会うと喧嘩になり、掛け声は「やってまれ」。

大正時代になると、通りに電柱、電線が張り巡らされ、高さが制限された。

戦争に向かうと祭りも縮小され、大火にも見舞われた。

昭和の40年代に各町内で佞武多を運行したものの、

後半には地域経済も悪化し、

人々は巨大な佞武多のことなど忘れかけていた。

 

平成5年に大型佞武多の台座の設計図が発見された。

明治期、隆盛を誇っていた頃の五所川原を舞台にした市民団体の演劇に

大きな佞武多が登場し話題となる。

それから、復活の機運が高まっていった。

平成8年、市民の有志が集まり、

大型の佞武多を制作し「立佞武多」と命名。

市民の募金や様々な協力により、

16メートルもある立佞武多が1世紀を経て復活!

祭りの後、慣習により火が放たれ、幻想的な光景だったらしい。

平成10年までに電線類の地中化などを行い、

五所川原が一つになって運行開始に漕ぎつけた。

その後、立佞武多を展示する「立佞武多の館」も完成。

迫力と美しさが評判を呼び、あっという間に多くの人が訪れる様になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高さは23メートルも。

迫力ばかりではなく、遠くから見ても美しい。

近くに来ると、群衆の唸り声。

昔から長い間、続いてきた祭りの様に思えてならない。

 

 

 

 

今年も祭りの余韻を引きずりながら葉山に戻った。

和菓子を受け取り、お礼を言って盛岡へ。

メロンやスイカ、野菜などたくさんのお土産を積んで帰った。

ご夫婦とは今では親戚の様なつきあい。

 

 

翌日、早速、和菓子を味わった。

 

 

 

 

 

 

 

甘さを控え、甘さが引き立つ。

視覚でも楽しむ。

繊細な細工を見ていると旦那さんの真剣な顔が浮かぶ。

小さかった子どもたちも社会人となり、

お菓子作りに向かう姿勢に変化はあったのだろうか。

昨年は、古いメモ書きを見せてもらった。

近頃は、菓子作りを学んでいた頃、一緒だった人を訪ねたりしている様だ。

色んな事を思いながら、気がつくといくつも食べていた。

そうそう、楽しみにしている人たちに届けなくては。

 

 

 

 

 

御菓子処 葉山

青森県五所川原市上平井町98

 

 

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