"Audizione a Cremona" | Gabriel's Oboe - Ennio Morricone | by Lena Yokoyama
<音楽が流れます、音量に注意>
5月上旬、
西和賀の錦秋湖へ。
水が少ない。
雪解け水を満々と讃えているはずだが、水面が遠い。
樹々は枝の近くにまで水に浸かるはずだが、根元まで乾いていた。
神秘的な埋没林の光景はない。
でも、樹々は芽吹いたばかりの萌黄色。
深呼吸した。
ネビラキカフェへ。
混んでいるかと思ったら、奇跡の独り占め。
ゴールデンウイークは混む。
今年、始めてオーナー夫婦の顔を見た。
元気だ。
ちよっと改装したと言う。
湖畔のカフェに向かう小径も前とは反対側。
素敵にできた。
カフェの姿が変っている。
お~!
屋根以外はオーナーの手作り。
湖を前にしたカウンター。
ブランコの椅子。
揺れるベンチまで。
「今日は、ゴールデンウイーク中で最高ですよ。明日は風が吹くようです。」
贅沢な独り占め。
あちこちに座ってみたり、年甲斐もなくはしゃぐ。
「ゆっくりしていって下さい。」
彼の笑顔にも癒されるのだ。
風が心地良い。
近くの樹から舞う桜の花びら。
目の前には美味しい珈琲とパウンドケーキ。
言うことなし。
京都や東京のお洒落なカフェもそれは、それで好きだ。
だが、ネビラキは、ここだけの世界。
工事で錦秋湖の水面が低くても、そよぐ風、太陽が燦燦。
寒気が緩むと、いち早く樹々の根元から雪が溶けだし、輪を作る。
それをネビラキと言う。
西和賀の自然をこよなく愛するオーナー夫婦。
また新たなネビラキの幕開き。
昨年より、更に珈琲とパウンドケーキが美味しく感じた。
お菓子処 たかはしさんのフィナンシェも。
30分ほどすると家族やカップルがやって来た。
後ろ姿を撮らせてもらった。
小さな子は、大人になって誰かと訪れるかもしれない。
その時、オーナー夫妻の創るネビラキの輪は、もっと広く温かくなっているだろう。
そんな気がした。
水面に弧を描く花筏。
「いい時間でした」と告げ、ネビラキを後にした。
ここにいると、みんな穏やかな顔になる。
西和賀に魅了されて3年目。
まだまだ知った事は少ない。
今年も何度も訪れるだろう。
nebiraki cafe
029-5512 岩手県和賀郡西和賀町川尻40-57-8
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