Michael Jackson - I Just Can't Stop Loving You
<音楽が流れます、音量に注意>
盛岡の街から西へ。
雫石を一気に抜け、奥羽山脈の懐へ。
駒ケ岳が正面に見える。
頂上付近は白一色、心が躍り出す。
今日はスキーを積んでいる。
山懐に入るとに斜面の林にネビラキ。
木の回りからとけだしている。
仙岩トンネルと7つのトンネルを抜ける。
峠を下り出すとまるで水墨画。
みるみるうちに視界が開けてくる。
しばらく下ると田沢湖の街。
斜めに走り抜け、田沢湖スキー場を目指し、また上り。
道の両側は雪の壁。
駒ケ岳が大きくなる。
さあ、もうすぐスキー場。
可愛らしい標識、「たぬきにもやさしい運転を」
駐車場でスキーを取り出し、
「・・・」
「靴がない・・・」
自分の愚かさにがっくり。
ワクワク気分から一気に転げ落ちる。
ため息一つ二つ。
気を取り直してスキーセンターへ行ってみた。
靴だけレンタルする事に。
「よく、あるんですよ」と係の人の慰めの言葉。
まずはランチにしよう。
きつねそばにした。
あっさりした汁で、蕎麦も美味しい。
素朴な味に少し元気に。
スキーセンターで知人とばったり。
その方は「横手焼きそば」
卵は、しっかり焼いてもらったという。
「実は、靴を忘れて・・・」
大いに笑われ、「オレも2回ある」と言う。
美味しい物を食べつつ知り合いと談笑。
心が軽くなっている。
その人は、もうひと滑りして帰るそうだ。
一緒にクワットに乗り、スキー話。
今日は、暖かく雪が溶けていて滑りにくいそうだ。
クワットを降り、左右に別れた。
私は、もう一本乗り継いで頂上へ。
久し振りの美しい田沢湖に息を飲む。
ストレッチしながら、しばらく眺めていた。
ゴーグル越しに見ると綺麗な夕景。
滑りだすとすぐ、彼の話を思い出した。
ザクザクで重い。
しだいに雲が出てきた。
もう一度上り、ゲレンデを一気に滑った。
ゼッケンを胸に子供達も元気だ。
スキーの後、楽しみな乳頭温泉へ。
雪の回廊が高くなる。
乳頭温泉郷の大釜温泉。
ここが好きだ。
「風呂の写真撮っていいですか?」
「今は、少ないけど、お客さんは写さないようにね」
うまい具合に貸し切りだった。
外へ出て雪見風呂。
この露天風呂がいい。
バドミントンやスキーでたまった疲れ。
四肢を思い切り伸ばす。
「靴を忘れてへこむなんて、心が小さい」
呟きは湯気包まれ、どこかに消えた。
お湯の音だけが聞こえる。
風呂上り、温まって、
「いい湯でした、来て良かった。」
と受付の奥に声をかけた。
「そりゃあいい」と微笑みに送られた。
暮れかけて冷えたてきたが心地よい。
ペットボトルを雪の壁に突き刺した。
冷え冷えの水をゴクリ。
ありがとう田沢湖、大釜温泉と借りたスキー靴。
また、色んな事を学んだ一日が暮れていく。
さてと、ゆっくり帰ろう。