Je ne pourrai jamais vivre sans toi (From "Les parapluies de Cherbourg") · Michel Legrand
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朝からの雨も午後からあがった。
運動着に着替え、バドミントンのラケットの入ったバックを担いだ。
始まりは13時。
体育館の近くでランチをしよう。
どこにしようかと、走り回った。
そうだ、体育館の近くに「みおしうどん」がある。
キムチ納豆ラーメンなどで人気の「柳家」の系列店。
リーズナブルな価格で、うどん、そばに中華そばもある。
柳家では直営の小麦畑まである徹底ぶり。
うどんと看板に掲げてあるが、まだうどんを食べたことがない。
中華そばのボタンを押した。
透きとおったスープは、きちっとコクがある。
麺は小麦の風味を感じた。
スープとよくあう。
流石に「柳家」系列店だけあり、美味しい。
小学生の頃、ご馳走だった中華そば。
その頃は丘の中腹に家があり、出前の記憶が何回かある。
麓からビルにしたら4、5階ぐらいはあったと思う。
右に行ったり、左に折れたり坂と階段が長かった。
ある日、出前を頼んだ後に突然のにわか雨。
若い人が麓に自転車を置いて急ぎ足で来た。
白い調理衣が透けていた。
出前の箱が2段になっていて、
そこから、取り出された中華そばが玄関に並ぶ。
母がタオルを差し出すが、手で制して走って行った。
テーブルに3つの中華そば。
蓋を開けるとスープが見えない。
食べ始めてようやく見えてきた。
でもご馳走にかわりがなかった。
スープを吸い込んで太くなった麺。
かえって美味しく感じた。
その後、あの家での出前の記憶はない。
思い出に浸りつつも、あっという間に完食。
お盆を返却口に運び、聞いてみた。
「何時から、やってました?」
「5時59分です!まあ6時ですが」と笑う。
そうだ、早くから開いている「朝ラー」の店。
ちゃんとドアに書いてあった。
夕方までコートを駆け巡り、へとへと。
膝、腰や肩が軋んで、身体が針金になったようだ。
ぎこちなく歩いて外に出ると青空が顔を出していた。
眺めていると、どこからともなく子供たちが遊具に集まってきた。
水たまりに輝く春。
空に向かって四肢を伸ばしてみた。
眩しく見える子供達にとって、ご馳走は、なんなのだろう。
その日も、白鳥が夕陽を浴び、北へ向かう姿を見た。
みおしうどん
〒020-0824 盛岡市東安庭3-1-50