Georges Moustaki Le temps de vivre
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ランチしながらの打合せ。
「雫石の極楽乃に行きませんか?」と助手席の人に言った。
しかし、走り出して「やっぱり、近くにしましょうか?」とちらりと横を見た。
前を向いたまま「初志貫徹!」ときた。
小岩井を走る。
岩手山は八合目辺りまで見えた。
行き返りの時間と雪道を気にして近くと言い直したが、
風もなく、陽射しが路面の雪をきれいに溶かしていた。
日陰の轍もたいしたことがない。
小岩井の一本桜と岩手山を右に見て、
そこから数分で手打ちそば「極楽乃」。
午後2時半過ぎで、すいていた。
数年ぶりだ。
少し広くなった気がした。
天ぷらと丼物は終わったという。
一緒の人は「山菜そば」。
山菜とキノコでそばが隠れている。
蓄えた春と秋の山里の恵みを冬にいただく。
「美味しい!」と箸が止まらない。
私は、極楽乃の中華そばを食べてみたかったのだ。
いなり寿司は、まだ出来るというので頼んだ。
中華そばは、透きとおったスープ、極細麺に柔らかなチャーシュー。
美味しいそうだ。
「毎日、蕎麦でもいい」と言う人が話していた。
「極楽乃の蕎麦が一番好きですね、中華そばもいいんです。」
彼の言葉が気になっていた。
そば屋さんの中華そばには惹かれる。
いなり寿司もいい。
甘すぎずしょっぱすぎず、
米粒がたち、美味しい。
こういうのが好きなんだなあ~
ひとりにんまりしていたら、「美味しそうですね」
気がつくと2個とも消えていた。
スルッと喉ごしのいい麺。
そば屋さんのスープが細麺に絡む。
一度の箸でいっぱい挟んで、ズズッと一気に食べる。
美味しい!
ひとりだったら、間違いなく街でランチだったろう。
店の人に聞くと冬は、週末以外は比較的すいていると話していた。
「雪が深くなると、出かけてこないんでしょうね」と一緒の人。
満足して車に向かうと、
「松ぼっくり!」と雪の上を見てから上を指差し、
「ほら木の芽がちょっと丸くなってる!」
上を見ると確かに木の枝先が少し膨らみだしていた。
食べることに夢中で、仕事の話しがなおざりに。
近くのカフェで珈琲を飲みながら、打合せをすることにした。
車に乗り込んで、
「お陰様で、気になっていた中華そばを食べられた~」
初志貫徹は時に大切だ。