盛岡食いしん爺日記
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西和賀にはまって10年近い。
あれから新しい店もオープンし、訪れる場所が増えるばかり。
もう一日では回りきれない。
2021年に焼地台公園内にオープンした「111coffee」もその一つ。
冬季は休業だが、この冬はオーナーの両親が営む
B&B Katasumi(カタスミ)の一角で時々、カフェを開いた。
焼地台公園は、和賀川を歩いて吊り橋で渡るルートと、
もう一つは車で川を越え回り込む。
私はまだ吊り橋を渡ったことがない。
昔からの高所恐怖症を克服できていない。
この公園はキャンプ場もあり、
山の上から滑り降りる乗り物もある。
まだ見ているだけで乗ったことがない。
公園の入口に水車のある建物があり、2階が111coffee。
As Time Goes By · Denis Solee · Beegie Adair
車を降り、111に向かうと、
階段を下りてくる女性3人。
あっカタスミの奥さんだ。
「こんにちは、ご無沙汰しております。」
その日、地元の高校生を2人連れ、
町を案内しているところだった。
久し振りにお会いできた。
ドアを開ける。
この空間に入ると、何故か心が和む。
オーナーから話を聞いたことがある。
西和賀の自然と人が好きで、
店の内装は仲間達と手づくり。
「111」は、なんと読んでも自由。
例えば「ワンワンワン」「イチイチイチ」でも。
縦の三本の線は「川」。
川が流れる様に人や物が集う願いが込められている。
窓辺のカウンター席に座る。
豆を選び手焙煎。
一緒の人はベーグルと珈琲。
私はチョコチップクッキーと珈琲。
噛むほどにほんのり甘い人気のベーグルも
クッキーもカタスミで作られたもの。
丁寧に淹れられた珈琲は深い味わいで後味もよい。
もう一杯飲みたくなる。
オーナーの珈琲への愛を感じる。
オーナーも若いスタッフもいい感じ。
窓辺で珈琲を飲みながらほっとする。
ゆっくり何かを考えたくなる。
いつか、ノートを持参し、想いを書いてみたい。
一人で来ても自分の世界にはまり込んでいられる空間だ。
確かに川の流れの様に人が集まり、
身を任せる心地良さ。
人と人の距離感が自然なのだろう。
それは、オーナーの人柄が生み出すものなんだろう。
おっ!
綺麗な毛並みのワンちゃん。
ハスキー犬だ。
皆の愛をたっぷり受けている様な顔。
吠えるわけでもなく、
人と同じ様に表情が変わる。
気がつくとスタッフを残しオーナーがいない。
窓の外をハスキー犬と散歩していた。
ワンちゃんの心もよく分かっているのだろう。
しばらくして戻っ来たハスキー犬。
まだ散歩が足りないのかな?
隅っこにどてっと横になった。
私は、こんなに邪魔に思えないワンちゃんと初めて会った。
ゆっくりした。
オーナーとスタッフの微笑みに送られてワンワンワンを後にした。