My Funny Valentine · Chet Baker · L. Hart · R. Rodgers
<音楽が流れます、音量に注意>
盛岡から隣町の雫石、鶯宿温泉へ行った帰り道。
御所湖は一面の白。
夕陽を映していた湖面は、光を吸い込んでしまう。
雪景色。
白と黒の静寂の世界。
雫石は、雪が深かった。
西の奥羽山脈には、また迫力の雪雲。
頼りなげな太陽も年が明け1月半ばにもなると、
日も長くなり、少し元気に見える。
1月15日、盛岡八幡宮で「どんと祭」。
昼前から立ち昇る炎。
暗くなっても次々にお札や正月の飾りが火の中へ。
熱や煙を浴びて心身を清め、
また一年の無病息災、家内安全を祈る。
日が落ちてもお詣りの人は続く。
盛岡八幡宮から東へ伸びる八幡の通り。
どんと祭が終わると賑わいもひと息。
ばったり知り合いと逢った。
「直利庵に行こう!」と言われ、大きく頷いた。
彼は温かい「あられそば」
たっぷりのめかぶに、あられのような白い物。
「何ですか?」と聞くと「ホタテです」と返ってきた。
流石、直利庵通。
美味しそうだ。
私は、かつ丼にした。
先週、水、金、土曜とバドミントン。
7、8年振りの週に3回。
頬はこけ、目は窪んでいる。
元気をつけねば。(笑)
老舗、直利庵のかつ丼。
緩すぎず硬すぎず、卵のいい具合。
飴色の玉ねぎと肉を離さない衣。
ご飯と一緒に食べれば、疲れた身体に染みわたる。
とても美味しい。
食べ終わって女将さんと少し話せた。
「今年は、いいたちこが沢山入ったんですよ、よかった~」と微笑む。
「たちこ」とは、真鱈の白子である。
お客さんに美味しい物を食べてもらう喜びを話す女将さん。
こちらまで嬉しくなった。
近くで珈琲を飲むことになり歩き出した。
ふいに隣で、
「流行ると、どうして次々に店を増やすんですかね。全国に数百店舗とか?」
彼は続けた。
「海外までとか、そんなに大きくしたいんですかね~」
考えたこともなかった。
「どこに入ります?」と聞くと、もう少し歩こうと言う。
老舗、直利庵の味は、ここだけでしか食べられない。
近くに高層マンションが建ち並んでも威風堂々に見えた。
今宵の曲は、何となく「My Funny Valentine」。