盛岡食いしん爺日記
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5月22日から7月2日まで「茶寮かだんで二人展」。
今、映画「銀河鉄道の父」が全国の映画館で上映中。
注目の花巻市にある旧橋本家別邸「茶寮かだん」。
宮沢賢治が設計した花壇が今も、原形を残している。
縁側でお茶を飲んでいたらしい。
三月には賢治の妹トシの雛壇が飾られ、
その下の妹クニが愛用したオルガンもある。
茶寮かだんのオーナーの一ノ倉さんが、奥にギャラリーを作った。
賢治ゆかりの場所を芸術文化の発信の場にしたいと言う。
そこで、「茶寮かだんで二人展」を開催。
Kenny G - Morning
二人展の一人はイラストレーターの「さいとうゆきこ」さん。
本の表紙や挿絵からキャラクターまで、幅広く活躍中。
もう一人は「阿部夏希」さん。
銅版画家で、毎年の様に個展を開催。
作品には独自の世界観がある。
そして、いよいよ展示の準備。
午前中から始め、作業は順調。
もうお昼が近い。
茶寮かだんのランチは予約でいっぱい。
庭を案内しながら外へ。
賢治が腰かけてお茶を飲んでいたという縁側。
ここで何を話していたのだろう。
屋根、塀も珍しい緑の瓦。
大きな商家だった橋本家。
病気がちの奥さんを気遣って敷地の丘の中腹に別邸を建てた。
百年前、贅を尽くし、当時の技術を結集。
結霜硝子がふんだんに使われ、
洋間から和室まで各部屋ごとに雰囲気が違い美しい。
ランチは、歩いて数分の所にあるイタリアンの「レガーメ ダ オルト」。
素敵なご夫婦が、
地元の身体に優しい野菜などの食材を使う料理は人気だ。
早めに来たので座れた。
前菜から。
早池峰三元豚の自家製パテ。
海老とドライトマトのマリネ。
「和み農園」さんの卵のキッシュ。
ここでは、鶏を平飼いしている。
のびのび育つ鶏たちのレモンイエローの美味しい玉子。
さつま芋とマスカルポーネのサラダ。
「うるおい春夏秋冬」さんのキャロットラぺ。
この農園も身体に優しい野菜を育んでいる。
スープは新玉ねぎの冷製。
調味料は塩のみ。
レガーメの味に心掴まれる三人。
無口になってしまう。
新玉ねぎの甘味を最大限に引き出している。
タコミンチのパスタ。
小松菜もいい役割を果たしている。
全く臭みなく、口の中に広がるタコの旨味。
ランチセットのほかに一品頼んだ。
いわい鶏の網焼き。
初めて入った二人のクリエーターが、
レガーメ ダ オルトの料理は綺麗だと言う。
これも調味料は塩のみ。
「どこの塩を使っているんですか?」と奥さんに聞いた。
「いろいろな塩を混ぜて使っています。」
何度も頷く三人。
レモンの汁が焦がしネギと鶏の皮に吸い込まれるていく。
いい香り~
これも美味しいに決まっている。
シェフは、食材の味を存分にひき出す。
和み農園、うるおい春夏秋冬さんのほか、
鋤と鍬など昔のままに作り、
固定種を育てているたそがれ農園さんの野菜も使う。
美味しいのは勿論、食材を綺麗に皿のせる。
そして何より香りがいい。
作り手も喜ぶ五感で味わう料理。
「美味しかった~」の合唱。
奥さんの笑顔に送られて茶寮かだんへ戻った。
後は微調整。
多くの人に、この茶寮かだんで二人の感性を楽しんで欲しい。
賢治もきっと喜んでみてくれている、とそんな気がした。
それに、グルメだったらしい彼が、
レガーメ ダ オルトの料理を食べたら、どんなだったろう。
Legame dall' orto レガーメ ダ オルト
〒025-0078 岩手県花巻市吹張町12−5