Tony Bennett performing "The Very Thought Of You" with Ana Carolina
<音楽が流れます、音量に注意>
北国の冬。
冷たい空気と静寂に包まれた田園。
遥か彼方からやって来た白鳥がいた。
春の旅立ちまで寛いで欲しい。
雫石から、網張の方へ向かった。
山麓は白くなっていた。
右に左に曲がりながら慎重に走る。
思っていたより、雪は深い。
森の樹々に雪が纏わりつき、水木団子のようだ。
小雪が舞う中、網張スキー場のコースは白く浮き上がり、
ちょっと心踊る。
今年こそ、スキーを担いで来たい。
ここ数年、まともに滑っていない。
白と黒の世界。
これも、いい。
目的の「ありね山荘」に着いた。
気持ちいい温泉だ。
窓の大きな内風呂と露天風呂にも入った。
温まり、ロビーでゆっくりしてから山を下りた。
盛岡の街中は、さすがにまだ雪は無いが、
歩く人はダウンや厚手のコートになった。
ゆっくりし過ぎて、危うく打合せに遅れるところだった。
17時半過ぎに終わった。
普段より早いが、夕飯に誘われた。
本町通りの「橋本屋本店」はどうかと言われ、直ぐに賛成。
橋本屋は、創業が江戸時代の1618年。
昔は、擬宝珠のある上の橋の袂にあったらしい。
それで「橋本屋」
長い歴史のある蕎麦屋。
懐かしい雰囲気の漂う店内は、テーブル席と小上がり。
すぐに賛成したのは、
久し振りに橋本屋の「ワンタン麺」を食べたかったから。
ワンタンが10個も入っているのだ。
丼ぶりも大きい。
麺の下にもワンタンが隠れ、食べても食べても、また出てくる。
ワンタンがするりと喉を越えていく。
そして合間に麺。
時々、あっさりながらもコクのあるスープを飲む。
なんだか満たされた心地。
どうして、そば屋さんの中華蕎麦は美味しいのだろう?
カツ丼も美味しいのだろう?
出汁の利いたつゆがベースにあるから、なのだろうか?
それに蕎麦に天ぷらは、つきものだ。
揚げ方も十分に心得ているのだろう。
一緒の人は、カツ丼。
近頃は見かけないグリンピース。
なんだか懐かしい。
「美味しい!」と向かいも御機嫌。
食欲に火がついたようだ。
豪快に食べ始めた。
2人ともたっぷりの量に満足。
会計しながら聞いてみた、
「ワンタン麺は、ワンタンが10個ですよね、ワンタンだと?」
「はい、20枚ほど入ってます。」
2人で歓声を挙げ、笑った。
店を出て、すぐの電柱に蔦が絡みついていた。
そろそろ終わりの紅が冷たい雨に輝く。
ところで「蕎麦と天婦羅」は、日本人が古くから食べてきた。
蕎麦屋が丼ぶり物や中華そばを始めたのは、いつ頃なんだろう。
いつか調べてみよう。