May It Be · Celtic Woman
<音楽が流れます、音量に注意>
北国の紅葉も終盤。
国道107号線を通行止めの辺りまで走った。
どこまでも山は紅く燃えている。
美しい、そして静かだ。
耳を澄ましても何も聞こえない。
紅い鉄橋を渡る電車を見た事がある。
列車の音も届かず、静かに渡って行った。
三十数年前に亡くなった母が好きだった錦秋湖の紅葉。
今年も見ている。
ちよっと嬉しくなる。
「一度は、見ておきなさい」と言われ、何度か見に来た。
その度に思い出す顔は、力なく静かに遠くを見ている。
片方しか上がらなくなった手を少し挙げ、半分握った。
「よし、私は生きるぞ」
翌日から意識が途絶えた。
母が話していたとおり、錦秋湖畔の紅葉は美しい。
三時半を過ぎれば、もう陽はかなり傾いてしまう。
ほっとゆだ駅近くの「ネビラキカフェ」へ。
今年、オーナーが一人で作った小径。
今までとは反対側。
小径を抜けると錦秋湖が広がる。
こんな風景の中で、珈琲とスイーツ。
西和賀の特産を使った物も食べられたり。
景色も、素晴らしいご馳走。
若いオーナー夫妻の頑張りのお陰で、楽しめる。
ここも静かだった。
珈琲のソーサーに紅葉した葉。
新緑の季節は青葉だった。
おや?
足元に落ち葉。
なるほど、近くの枝から散ってしまったようだ。
何かの拍子か風のせいだろうか。
しばらくすると風が冷たくなってきた。
時の流れを風が知らせる。
11月7日で、一旦閉まる「ネビラキカフェ」
西和賀を包み込んでしまう白い世界が終わるまで、楽しみはお預け。
冬がくれば、とうに母を追い越した私は、また一つ年を重ねる。
アルバムの母は、まだ、はりっとして笑っている。
なんだか不思議な気分。
今日も、いい日だったが、また一日、母が遠くなる。
029-5512
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