Spring Can Really Hang You up the Most · Jane Monheit
<音楽が流れます、音量に注意>
この2年、新幹線に乗っていない。
その代わり、車で岩手にとどまらず青森、秋田県へと出かけた。
すべて日帰り。
岩手だけでも広いのに、
北東北の三県は太平洋から日本海まで。
まだまだ知らない街がある。
もっと巡ってみたい。
ある人と喫茶店で話した。
「だいぶ出かけていたようだね」
「北東北を駆け巡りました。特に岩手の県北に行っています」
「どうでした?」
「どこも30年という間に、驚くほど人が減っています」
「やはりね~」
「でも、あちこちに美味しい物や色々な物語がありますね」
その人も近郊を車で走っているそうだ。
北国の「食」と「物語」の話になった。
秋田の「稲庭うどん」の美しさ、「石焼の鯛茶漬け」を食べそこねた話。
岩手の北の軽米で見つけた「たぬきケーキ」や葛巻の「森のそば屋」。
西和賀の「ネビラキカフェ」からの展望もそして弘前のフランス料理店の事など。
話が一段落して、3時も近い。
喫茶店を出て少し歩いてみようという事に。
盛岡駅のフェザンに行ってみた。
お菓子の売り場へ。
2人が立ち止まったのは、南部煎餅の「盛岡せんべい店」。
お互いに色々買い込んで、次は夜に会う約束をした。
家に帰って早速、南部せんべいを並べてみた。
袋を開けると小麦の香り。
子どもの頃は、ゴマとピーナツだった。
今は、バリエーションも豊富。
シンプルで素朴な味を残しながら、クッキーのような甘さも。
緑茶にしようか紅茶かと迷って珈琲を淹れた。(笑)
「南瓜(かぼちゃ)っ娘」
厚焼きで、甘すぎないクッキー風の生地に香ばしいカボチャの種がいっぱい。
「粒ピーナツ」
卵やバター風味と粒ピーナツがよく合う。
南部煎餅のクッキータイプのはしりだ。
そう言えば、小岩井方面にある「手づくり村」で、手焼きの体験をした。
あの時の、できたての煎餅は美味しかった。
「白ごま」
ふんだんにまぶした白ゴマの風味。
黒ゴマのせんべいとは、また違った美味しさ。
「くるみ」
岩手の人はくるみを使ったお菓子が好きだと思う。
「竹芳」にも寄った。
可愛らしい栗の最中。
パリッとした皮に包まれた小豆の餡と栗はよく合う。
秋田で特別に焼いてもらっているという皮はサクサク。
栗蜜で練ったこし餡は、栗の風味が強い。
甘さ控えめで、ちょっと癖が強いと言われた栗蜜。
イタリアでは、珍重され個性的な味を活かし、
ブルーチーズなどとよく合い、色々な料理に使っている。
近頃、日本でもイタリア産の栗蜜にはまる人も多いそうだ。
「黒餅、大徳寺納豆使用」
京都の大徳寺納豆と和糖を合わせたお菓子。
わらび餅のようなプルンとした食感と微かな甘みがいい。
あちこち巡って盛岡の和菓子を楽しんでいると、また美味しさが違ってくる。
気がつくと身体が暮らす街の味を欲しがっていた。