NORAH JONES & MARIAN McPARTLAND - «Spring Can Really Hang You Up the Most»
<音楽が流れます、音量に注意>
葛巻に寄って、久慈に向かう道の途中。
平庭高原に着いてひと休み。
白樺林の中にいて思い出した。
この先は、数年前に取材で通った「塩の道」の名残りの残る道。
誘われて車を走らせる。
翳り出した緑。
紅葉の始まりも近い。
しだいに道は狭くなり、すれ違いも難しい。
待避所に停めた。
「そうだ、ここだ!」
ここでカメラマンさんと撮影。
昔、この道を牛が塩を積んで歩いた。
民謡の「南部牛追い唄」の調子はゆっくり。
ここに立っていると、それがよく分かる。
人も牛も一歩ずつ。
深く険しい道を人と牛が行く。
谷も深く遥な山々。
想像するだけでため息が出る。
しかし、当時は、それが当たり前。
今、自分が車で走る感覚のようなもの。
一日の長さが違う、一時間が違う。
一生はどうだろう。
過ぎてしまえば、同じように短い気がする。
少し進むと何か白い物が動いていてる。
急斜面に白い牛。
そうそう、あの時もこの辺りで黒い牛を見た。
望遠で覗くと目が合った。
しっかりこっちを見ている。
ファインダーを覗きながら呟いた。
「こんにちは、大変だね」
「どうってことないよ」と返された気がした。
彼らには日常なんだ。
峠を越え、下ると集落がある。
昔、番所があったとある。
ここも記憶があった。
ここに、役人が常駐し、色々な事件もあった事だろう。
狭く九折の峠道を走り、当時に想いを馳せる。
だいぶ遠回りして着いた久慈の街は小雨。
素敵なNANAMARUNI COFFEE(ナナマルニ)で、ひと休み。
帰る前に、ほんの少しだったが街を回ってみた。
道の駅くじ「やませ土風館」
久慈の祭りの山車が置かれている。
幅も高さも凄い!
圧倒されてしまう。
駅の近くで丁度みかけた三鉄(三陸鉄道)
暮れかけて、お菓子を買って盛岡へ向かった。
お菓子の「沢菊」さんへ。
昭和初期、開業の老舗。
「沢菊」と言えば「ぶすのこぶ」
「ぶすのこぶ」が好きな人は多い。
詳しくは分からないが、
この名はアイヌ語で地名と聞いた事がある。
ほどよい甘さの中にバターが香る。
迷いもせず2個食べた。
「十段」というお菓子も買ってきた。
久慈出身で柔道家の三船十段から名をつけたのだろう。
品の良い皮と餡を楽しむ。
もう少し色々と買って来れば良かったとちょっと悔いる。(笑)
それに、洋菓子も充実していて、特に「山ぶどうのチーズケーキ」が気になった。
次の楽しみにしよう。
数年前も久慈での滞在時間が少なかった。
やはり、知らない街をゆっくり歩きたい。
そして、暮らす人たちと話してみたい。