Night And Day · Beegie Adair
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先日、弘前での用事が終わった。
まだ午後2時過ぎ。
盛岡へ帰る前に寄りたい処がある。
弘前の街から岩木山へ向かった。
津軽平野から一気に立ち上がる稜線。
標高1625メートルだが、もっと高く見える。
津軽富士とも呼ばれるこの山を、
太宰治が十二単衣を広げたような美女とたとえていた。
岩木山麓の嶽に到着。
道の両側に並ぶ各農場の直売テント。
朝採りの「嶽(だけ)きみ」が積まれている。
「きみ」とは「トウモロコシ」のこと。
焼いたきみ、煮たものも並ぶ。
岩木山麓の標高500メートル前後の高原。
寒暖差の激しい土地で採れるブランドのきみ(トウモロコシ)
糖度が高く18度以上もあり、生でも甘いそうだ。
さっそく買い込んだ。
「みらい」と「めぐみ」の2品種。
今年は早く実ったそうだ。
きっとシーズンの終わりも早いだろう。
寄って良かった!
嶽高原のすすきは、もう風にふわふわ。
焼きと煮たきみも買い、岩木山神社へ。
数分で着いた。
車の中で、食べる。
まずは焼きから。
歯にあたって弾ける食感で、
一つひとつの実に張りがあり、旨味が濃い。
う~ん甘い。
続いて煮たきみ。
プチプチッとした食感がたまらない。
粒々から甘い汁。
美味しい。
これは食べ過ぎに注意だ。
太陽に翳すと宝石みたいだ。
いよいよパワースポット、岩木山神社にお詣り。
鳥居の正面に立つ。
茂った森の樹々の上。
山の字の形に見える岩木山。
鳥居から一直線。
歩むごと空気感が変わり、背筋が伸びてくる。
霊験あらたな岩木山神社。
一方が逆立ちしている狛犬には、それぞれ別の意味があったはず。
ググって確かめた。
上を向いている狛犬には金運、下向きの狛犬には恋愛運とある。
欲張りは禁物、片方に祈った。
参道の脇を流れる水は冷たかった。
富士山などと同じく山岳信仰の山。
山頂に奥宮がある。
旧津軽藩の鎮守の山とされていたそうだが、
弘前藩というより、通称、津軽藩と言う呼び名が好きだ。
その歴代藩主が寄進に力を注いだ。
荘厳な社殿は「奥の日光」と呼ばれていたという。
弘前に来て、いつも不思議に思う。
北国の小藩だったのに、
弘前城といい、多くの寺院群の集まる禅林街、新寺町などのほか、
当時の財力は、どこに隠れていたのだろう。
一直線に続く石畳み。
多くの石に傷があるのはどうしてだろう。
まだまだ知らない事が山ほど。
何度か訪れたが、いつも夕暮れ時。
お詣りの人も少なく静かだった。
その日は昼下がりで、多くの人が訪れていた。
みんな何を願うのだろう。
荘厳な寺社にお詣りすると、
地球や国、大きな事を思ってしまう。
勿論、自分の事も祈ったが、叶えられそうな気がした。