Simon Powis - Bach Fugue BWV 1001

<音楽が流れます、音量に注意>

 

 

 

空が高い。

朝には秋の風。

朝顔の弦は、まだ雲に向かっている。

一応、長袖を助手席に置いた。

 

 

陽射しは、まだまだ強い。

エアコンを止め、窓を開けた。

空を見るうちふと行きたくなった、紫波町の山王海ダム。

盛岡の街からものの30分ほど。

西の奥羽山脈の懐に入る。

急に道は曲がりくねり、谷は深くなった。

 

 

ロックフィルダム「山王海」

 

 

 

 

美しいダム湖。

 

 

 

 

小学校の高学年の頃だった。

休日、父の職場関係の人達が集まり、バーベキュー。

大人の男の人達は幅広のズボンを履いていた。

不思議なことに自分の着ていた服をよく覚えている。

母が縫ってくれた水色の半ズボン。

半袖シャツにはヨットの絵柄。

子どもは、よちよち歩きの子が多く、一番年上だった。

父が、「ロックフィルダムなんだ」と指差した。

黙って聞いていた。

退屈で早く帰りたかった。

賑わいから少し離れていた気がする。

 

近頃、衝動的に、

想い出のある場所を周ってみたくなる事がある。

ここに来てはっきり思ったのは、

あの頃、人が集まるところが苦手だった。

なんだか、ちよっと気恥ずかしくなった。

 

 

車に戻り走り出すと、あっという間に志和稲荷神社まで下りた。

どうして今の自分は大勢の中でも平気なのだろう。

いや、心の奥を覆い隠しているのかもしれない。

 

ダムに描かれた「平安 2001」が気になって検索した。

昔のダムは「アースダム」といい盛り土が中心の形。

以前のダムを包むように嵩上げし、

ダムを建設したのが「ロックフィル」の形式だった。

この地域は、江戸時代から水の争いが絶えなかったそうだ。

そこで「平安」の願いが深くこめられていた。

さらに近くの葛丸ダムと水を行き来させる親子ダムと言われる珍しい形式のものだった。

 

 

盛岡の街に戻ると1時半を過ぎていた。

中ノ橋通りの「田苑」へ。

チャーシュー麺にした。

 

 

あっさりとしてコクがある。

美味しい。

 

 

極太の美味しいメンマ。

 

 

額の辺りが少し汗ばむ。

 

 

ママに言った。

「雪氷セットにしてください。」

夏の終わりに一度食べてみようと思っていた。

「なに味にします?」

「レモン」

 

 

温まった身体が冷えていく。

レモンの果肉から酸味が心地良い。

氷にも味がついている。

「なるほど」と呟くと、

「熱々の中華そばの後に、冷や冷やがいいかな、と思って」と笑う。

 

 

色々と考え工夫しているものだ。

感心しながら、席を立った。

もうじき、朝顔もトンボもどこかへ消えてしまう。

盛岡の街も雪氷に包まれるのも、そう遠くはない。

今を楽しまなくては。

何の制約もなかった2年ほど前が懐かしい。

ドアを開けると背中にママの声。

「雪氷はしばらくやってますよ!」

 

 

 

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