What Are You Doing The Rest Of Your Life - Laura Fygi
<音楽が流れます、音量に注意>
岩泉に行った日、九戸村まで足を伸ばした。
伊保内の街並みに着いた。
いつか見たことがあるような懐かしい光景が続く。
もうすぐ西の山に陽が落ちる。
九戸神社にお詣りに行った。
九戸家代々が戦勝を祈願した神社で、二体の仏像など文化財が多く収蔵されている。
5月5日の例大祭には九戸神楽が奉納舞されるという。
九戸スキー場の麓の「ふるさとの湯っこ」へ。
夜も10時まで入れる日帰りの湯。
お客さんが上手い具合に入れ替わり、地元の人が途切れない。
露天風呂は見晴らしがよく、眼下に拡がる伊保内の街。
夕焼けと家々の灯り。
「一つひとつに暮らしがある。」なんて思いながら運転の疲れを癒した。
お風呂から上がり、車のナビを盛岡までセット。
案の定、高速を使えという。
葛巻町を経由し、ゆっくり帰ることにした。
暗くなってきた道を走って葛巻に着いた。
通りの真ん中辺り、確かここは「近亀」
暖簾が下がっていた。
「まだ、大丈夫ですか?」
「いいよ」
メニューを見ていると中華そばが食べたくなった。
旅に出るとあれやこれやとご当地のご馳走を食べる。
でも時々、中華そばの暖簾を見つけると無性に恋しくなる。
つるつるの麺に蕎麦屋さんのあっさりしたスープだ。
美味しい。
あっという間に食べてしまった。
ゲソ天も熱々で柔らかく美味しい。
カウンターだけの店。
端の方で地元の人らしい2人が座っていた。
盛岡でも昔は、夕方になるとよく蕎麦屋でサラリーマンが吞んでいたもの。
どうも葛巻の祭りも中止らしい。
淋し気に2人は、酎ハイを吞んでいた。
やはり、ここに来たら手打ちそばを食べなくては。
「追加で、とろろそば、いいですか?」
「はい、出来ますよ」とチラッと微笑む親方。
そばの風味豊かで、美味しい。
こういうそばが食べたくなる時がある。
中華そばと手打ちそばの両方食べて大満足!
帰りがけに一応確認した。
「ここはキンカメ、いやコンカメですよね?」
すると親方とお客さんが揃って「コンカメ!」
「ありがとうございます。美味しかった~」
店を出るとガラス戸の中から聞えてきた笑い声。
こういう店で一杯、いいだろうなあ~
盛岡に帰ると夏の夜は更けて。
東北電力の鉄塔もそろそろ消える時間。
今度は、早起きしてもっと早く出かけよう。
まだまだ知らない町は山ほど。