GIPSY KINGS "VOLARE " | Penelope Cruz
<音楽が出ます。音量に注意>
仕事が終わり、盛岡の街の灯りがともる。
「あそこに行きましょう!」と言われ後に続く。
その日、一緒に仕事した方も「昭和な人」
夕暮れ時に恋しくなる「まち中華」
盛岡市肴町ホットラインの入口向かい。
ビルの地下「えぞっこ」へ。
「地下食堂名店街」の看板は元気だ。
イラストの階段を下りる人は、サラリーマンに違いない。(笑)
このビルの歴史は古い。
盛岡で飲食店がテナントに入った第一号らしい。
空いていた向かいのテナントに、何か入ったようで廊下が少し華やいだ感じ。
昔は、行き交う人で賑やかだった。
前に親方から聞いた。
昔、味噌ラーメンが流行り、次から次へと味噌ラーメン。
毎日、注文が続いたと言っていた。
「なんにしやすか!」
「レバーモヤシ定食!」
親方は、注文を反復して中華鍋をガスコンロに置く。
グッと火を強め、始まる鉄鍋の音。
カタカタ、コトコト。
ズラリと並んだメニュー。
昔から、食べているのが、
焼きそば、味噌ラーメン、もやしラーメンあるいはレバーもやし定食。
一緒の人は蝦夷っ子ならではの「味噌ラーメン」
シャキシャキのもやしに喜んで、「久し振り!相変わらず美味い」とこちらを見る。
レバーモヤシ定食が来た。
サラリーマン時代から何度食べたことだろう。
臭みのないホクホクのレバー。
シャキシャキのもやし。
昔と違い、ご飯は少なめにしてもらった。
白いワイシャツ姿の人が出て行くと大将がビニー越しに話し出す。
サラリーマンを卒業した先輩方の話。
ここで消息を聞けたりも。
しばらくして、お客さんが来て、ビールを飲み始めた。
そうだった。
昔は、仕事帰りに、瓶ビール一本と餃子を食べ、スポーツ新聞を広げる。
そんな人たちが、集うようにして相席。
近頃は、あまり見かけない。
会計しながら聞いた。
「昼はどうですか?」
「まだまだ、だね~ リモートだの、なんだのでね~」
「美味しかったです、また!」
「思い出したら来てくださいね」
えぞっこもアクリル板とカウンターとの間にはシートが敷かれていた。
地上に出ると大粒の雨。
2人揃って1階のコンビニで傘を買った。
昔だったら雨宿りするか、走って帰った。
近頃の梅雨は、紫陽花が鮮やかに映えるような雨じゃない。
雨粒が花びらを叩くような雨だ。
えぞっこ
019-652-1929