Boz Scaggs - HARBOR LIGHTS
<音楽が流れます、音量に注意>
近頃の盛岡は猛暑が続く。
あちこち日陰を求めながら歩いていた。
少し涼を求め、寄り道。
街の中を流れる中津川。
中津川の晩秋の風物詩は、鮭の遡上。
ほかでは、中々見られない光景だと思う。
昔から夏の子供たちの遊び場。
少しの間、陽が翳った。
今のうちに用事を済まそう。
盛岡の官庁街の内丸を経て本町通を歩く。
いつも気になつていた建物。
通りから、ちょっと下がって建つ黒い家。
入口は小さく狭い。
その日、暖簾が下がっていた。
夜の店だとばかり思っていたが、歩み寄ると「茶房ふじわら」
なんとも素敵な字。
そう言えば、
近くに事務所があるイラストレーターさんが昼も始めたと話していた。
今、2時半を回ったばかり。
これは、入るしかない。
中にまた入口。
あの武家屋敷の門の脇にある小さな入口のようだ。
背を丸めて中へ。
初めての店、しかも長いアプローチ。
ワクワクしてくる。
入ってきた方を振り返ってみた。
これはもう隠れ家。
夜は、鮨懐石というか創作和食の「ふじわら」
それが昼にはカフェに。
夜は、予約制で、まだ未体験。
中の様子も見れる。
奥まで進むとカウンターが7、8席。
両端にお客さんがいて、真ん中辺りに座った。
珈琲と今日のケーキにした。
聞いてみたら、ブラジルとチョコレートケーキだった。
昼は、月火水のみ。
娘さんが茶房「ふじわら」担当で夜のお父さんは手伝い。
仲良しの父と娘さん。
しばらく待ってブラジルが置かれた。
丁寧に淹れる娘さん。
カウンター越しにゆっくり珈琲の雫が落ちるのを見ていた。
その間、お父さんの軽快で巧みな話に微笑むお客さん。
ネルドリップだった。
ということは、修行先は「機屋(はたや)」さんかな?
やはり10年近くいたらしい。
とても美味しい珈琲だった。
「写真を撮っていいですか?」
「いいですよ」と娘さん。
チョコレートケーキは、フォークを刺すとほろほろとくずれる。
すくうようにして口へ。
食感もチョコレート味もいい感じスイーツ。
美味しい!
ゆっくり待つ楽しみ。
カップとソーサーを眺める余裕も生まれる。
夜の「ふじわら」に来てみたい。
明日から節約して、せっせと小遣いをためなくては。