This Masquerade · Beegie Adair · Jack Jezzro
<音楽が流れます、音量に注意>
盛岡は、不安定な空模様の日が続く。
朝は陽射しが強く暑い。
午後になると空は豹変し、激しい雷雨に襲われる。
これは、入道雲とやって来る昔の夕立と違う気がする。
紫陽花を鮮やかにする通り雨が懐かしい。
いつものスタンドで空模様の話。
満タンで向かったのは上田の「むら八」さん。
昼前に電話しておいたテイクアウトの弁当を受け取りに。
車の助手席に置いて、フロントから空を見た。
黒い雲と青空が入り組んでいる。
まだ空が明るい岩山に向かった。
車の中で弁当を広げた。
落ち着いた黒い箱、紙袋も南部型染のデザイン。
きちっと座り直して頂く。
ヒレカツ弁当。
開けた途端にいい匂いと共に魅惑の狐色。
まず、ご飯。
甘さを噛みしめていると主役は、やはりご飯だと思った。
そうか、おかずは、引き立て役かもしれない。
ヒレカツは、サクサクの衣に包まれ、柔らかい。
箸でたやすく千切れる。
口の中で消えそうになり、慌ててご飯をひと口。
どちらも主役かもしれない。
近頃の空の様に、ころころ変わる。
幸せを噛みしめ遠くを見ると姫神山の背景は綺麗な空。
なんだか落ち着いて見える。
岩手山は姿を隠している。
苛々しているように見えた。
次はカツサンド。
これはもう、キャベツとパンとカツが一体。
ソースが引き立て役。
パンが美味いと思って噛んでいると、
肉の旨味がじわじわ。
ひと切れのつもりが、お代わり。
そして三つめ。
残りのひと切れを見て思う。
ひとつだけ残しても仕方がない。
とうとう空に。
岩山の展望カフェ「GEN・KI」を覗いた。
マスターと少し話して、外を歩いた。
この緑のトンネルが好きだ。
山法師に色鮮やかな蝶。
綺麗に重なる紅葉の葉。
いきなり、大粒の雨。
小走りで車に戻る。
十数メートルだけで、シャツの色が半分変わった。
駐車場のアスファルトが黒くなる。
激しい雨粒が、次々に跳ね返って王冠の形になっては消える。
しばらく見ていた。
街のウィルスも流れればいいのに。
さて、そろそろ岩山を下りて仕事場に向かおう。
しかし、不安定な天候が続く今日この頃。