Wave Oscar Peterson
<音楽が流れます、音量に注意.>
夏至も過ぎ、1日ごとに夜が長くなる。
1年を折り返し7月。
もう七夕。
5月は父と母の誕生日、6月10日が時の記念日だった。
昔々、小学6年生のこと。
学校をあげて時の記念日のポスター。
ヨーロッパの城から立ち上がる時計台。
まだ、鉛筆で描いていた提出前の日曜日。
色も塗らずに、友達の誘惑に負けた。
夕方、遊び疲れて家に戻ると絵具や筆が片付いていた。
「えっ!」
グレイの時計台の下半分が濃霧に包まれ、幻想的な絵。
父が言った。
「筆の先を切って、軽く叩くんだ」と得意げ。
背中を向けて、家を出て走った。
とっぷりと暮れた街。
文房具店は、カーテンが締まりし、引戸は固く締まっていた。
「明日、皆に、この絵を自分で描いたの?」と言われる。
涙も出ない帰り道。
珍しくお代わりしない夕飯。
翌日、絵の好きな父を恨みながら、とぼとぼと学校へ。
先生はどう思うだろう・・・
坊主頭で、宮沢賢治の様な風貌の担任は普段と変わらなかった。
絵は、デパートに飾られ、貰った賞状と副賞。
隣に幼稚園から一緒の女の子も。
「よかったね」と微笑む。
「オレじゃないよ」と吐き捨てると前を向いたまま、
「いいじゃない」
その横顔は、幾つも年上の人に見えた。
6月、毎年のように思い出す。
あれ以来、「記念日」が苦手。
<盛岡食いしん爺の掲載された記事です>
盛岡から雫石町の御所湖畔にある「町場園地」へ。
雨上がりの花々は、色鮮やか。
雨の合間、ハチの凄い働きぶり。
次から次へと飛び回る。
羽を支える筋肉は壊れないのだろうか。
「すこし休んだら」と言いたくなる。(笑)
閉園を知らせる曲が流れ出す。
誰も居なくなっていた。
なんだか、パンダとライオンが淋し気に見えた。
帰り道に見た虹に元気をもらった。
家に着いたのは夕暮れ時。
先日買ってきたサイダーを開けた。
軽米で買ってきた「さるなし」のサイダー。
名前を聞いただけで美味しそうなのだ。
久し振りに宮沢賢治に似ていた先生の姿を思い出した。
香りよく、爽やかな味で、一日を締めくくった日。