Wave Oscar Peterson
<音楽が流れます、音量に注意.>
梅雨があけたらしい。
その途端、北国の盛岡は30度を軽々超えた。
暑い。
樹々の葉も、うな垂れて見える。
トンボは、上手に身体を陰にして羽を休める。
合歓木は元気に青空に向かう。
流石に夏の到来を告げる花。
1時間ほどの予定で打合せ。
ブ-ル・ドゥ・ネージュの盛岡緑が丘店。
その方は、たしか「利久」という名のスイーツ。
小豆と黒豆と白玉まで入っていた。
「美味しい、美味しい」と連発。(笑)
暑い夏、
しかし、まだ2人ともホットコーヒー。
自分はオレンジのケーキと珈琲。
鮮やかで涼し気だ。
見ていると嬉しくなる。
さほど甘くないクリームと生地にオレンジの心地よい酸味。
美味しい。
30分ほどで用件は終わって雑談。
その方は、今はひと息ついているという。
学生時代の友達から届いた手紙の事を話した。
先日、津軽の実家を訪ね、電話で話し連絡先を交換。
最近出した雑誌を数冊送ったら手紙が届いた。
大学を卒業し、東京に残った彼とは社会人になって2、3年は会っていた。
その後、互いに仕事に忙しく、住所も電話番号も変わった。
結局、40年近く音信不通だった。
手紙には、雑誌の話や近況が書かれていた。
久し振りに会うとたいていは、話しているうちに近況は実績話になる。
「あれをした、これもしなくては」必ず大変だったと言う。
知っている事や経験した事を伝えたいのか、言いたいのか。
別に嫌うわけではないが、聞き手は特に私でなくても、いいような気になる。
こみ上げそうになる欠伸を隠すのが大変だ。(笑)
彼の長い手紙は、すらすらと楽しく読んだ。
是非、会って話したい。
数日話し続けても足りない気がした。(笑)
サラリーマンを退職して働かないと「よく普段何をしているんですか」と訊かれる。
そんな時は映画やコンサートや家族と出かけたり、掃除や料理をしてみたり日々の暮らしを説明するらしい。そして、「生きていれば色々あるに決まっています。」と言うそうだ。
そして、津軽の彼の実家を訪ねたブログの感想には、
「太宰の『津軽』のラストシーン、乳母のたけを訪ね再会するくだりを思い出しました。」
とあった。
数分、そう話すと向かいの人が、
「その方は、何をして来たんですか?」
「取材をして記事にする仕事で、全国や海外にもよく行ったらしいです。」
と答えると、
「自分や世の中を客観的に見て相手に伝える力があるわけですね~」
なるほどそうかもしれないと思った。
コーヒーを飲み終えて解散。
「返事を書きたくなってきた」と思う帰り道。