The Water Is Wide(Traditional)with lyrics-Karla Bonoff
<音楽が流れます、音量に注意>
四月下旬のある日
快晴で暖かく、春らしい一日。
夕方になり、
愛染横丁と呼ばれる路地にある北田屋さんへ。
暖簾を潜るなり、
「冷たぬき、お願いします!」
「おおもりじゃなくていいですか?」
と旦那さん。
お茶を置きながら、こちらを見る奥さん。
「あ~ 普通で、お願いします」
<北田屋の冷たぬきそば>
きたきた!
かき混ぜる前に蕎麦だけ食べる。
次にワサビ、揚げ玉と沢山の海苔を具を混ぜていく。
一つになって「冷たぬきそば」
美味しい。
途中からサクサクの揚げ玉がしっとりに変わり、
汁がマイルドになる。
食べ終わって花の話になった。
「オダマキが咲いて店に飾ったんですよ」
野に咲くように活けたそうだ。
水仙の下にオダマキの紫。
話をしているうちに、
もっとそばを食べたくなってきた。
我慢できずに言った。
「あの、ざる1枚、お願いします。」
微笑みながら厨房に向かう夫婦。
旦那さんの言ったとおり、
大盛にすればよかった。(笑)
ざるそばがきた。
早速、紅葉卸とネギを蕎麦猪口に入れ、
食べ始める。
二八系で柔らかめだが、
そばの風味がよく、飽きのこない味。
二十年、三十年と続く地元のファンも多い。
毎週土曜日に「冷たぬき大盛り」を食べに来る人も。
ズズっと吸い込み、
そのまま飲み込む感じで食べる。
おしまいに汁をひと口、ふた口。
そばとタレのバランスがいい。
昔から、そばのコシより、
細くて優しい感じが好み。
今度は満足。
また話が戻った。
飾ってある花は、
シンビジウムとオンシジウムという名前だと聞いた。
間違って覚えているかもしれない。(笑)
二人は、山やウォーキング好きで、
店に飾られた沢山の高山植物の写真。
中には珍しい花も。
特に早池峰山には何度も登っているそうだ。
今年の春は本当に花を見る機会が多い。
いや、自分の眼が花に止る。。
帰り際、
最近になり、冷たぬきの注文が、
増えてきたと奥さんが話していた。
いよいよ盛岡も春爛漫。
愛染横丁と呼ばれる路地にある「北田屋」
昔ながらの暖簾に店構え。
昭和な感じの小さな店を
「街そば屋」と勝手に呼ぶことにした。(笑)
五月になって店を飾る花はなんだろう。
外に出ると日中とは違い、まだ冷たい空気。
北国の春は、何を着て出かけようかと迷う。