Lose Again Karla Bonoff
<音楽が流れます、音量に注意>
午後3時過ぎ、
仕事がひと区切り。
ほっとしたくなり街を離れた。
小岩井農場の桜も綺麗に咲いている。
一本桜の辺りで大勢の人がカメラを向けていた。
いつもと違って渋滞するほどではない。
岩手山を右に見て西へ。
「風光舎」に着いた。
流石に、まだ山吹は早い。
奇麗な花が咲いていた。
車を停めて、
林の中で空を仰ぐ。
アプローチをゆっくり。
庭を覗けば、心が整っていく。
席に案内され、
いつものケニアではなく、
今日は、ウインナー珈琲にした。
どういう風が吹いたのか?
キビ砂糖の優しい甘さ。
珈琲の香り。
これで、しっかり整う。
窓からの光景は、
まるで絵画のようだと、
いつも思う。
素敵なオーナー夫妻は、
よく花の名前を教えてくれ、
四季の移ろいを色鮮やかにしてくれる。
後は、ゆっくり珈琲の香りを楽しむ。
早く山吹のイエローが見たいと思った。
中学1年の途中まで暮らした一関。
釣山という丘の中腹。
裏には小さな谷があり、
桜の後は一面に山吹。
黄緑の茎と濃い黄色。
ゴールデンウイークの頃、決まって思い出す花。
もうすぐ咲きそうだ。
あの頃、
学校に行きたいと思ったことがない。
大人が嫌いで、どこか信用していなかった。
毎日、家の周りで遊んだ。
春の桜と山吹、
うっすら積もった雪景色は、
脳裏に刻まれている。
山吹を折ると茎の中に、
白いスポンジのような物が詰まっている。
それを取り出し笹竹に詰める。
一方から細い枝で突くとピュッと飛び出る。
そんな遊びも懐かしい。
あの頃、真剣に遊んでいた気がする。
会計をしながら、
また少しオーナー夫妻と話した。
山吹の頃、
また来ると言い、店を後に。
アプローチを下っているとなんと一輪だけ咲いていた。
早咲きがいいのか、
ゆっくりと遅咲きがいいのか?
なんて思う帰り道。
街中に入る。
さて、ビジネスモードに切り替えだ。
軽いため息が出てしまう。