私の孤独Ma Solitude/ジョルジュ・ムスタキGeorges Moustak
<音楽が流れます、音量に注意>
盛岡市北田屋で見つけたお雛様・繭玉の「可愛いぼんぼり」
3月2日の夕方、
盛岡の愛染横丁と呼ばれる路地の「北田屋」さんへ。
久し振り。
しばらく、早めに店を閉めていて、
ようやく間に合った。
しなやかなそば、
風味豊かで、
するすると心地良く喉を過ぎる。
あっさりとした汁、
もっと食べたくなる天ぷら。
全てが優しい味で、ついつい足が向く。
昔からのファンも多い。
親しんでいる味。
サラリーマン時代、よく通った。
週に3度、来たことも。
<盛岡、北田屋の天ぷらそば定食>
そば定食や冷やしたぬきそばに、
カツ丼も。
冬は鍋焼きうどん。
その日、夕飯を誘ってくれた人は、
カツ丼か冷やしたぬきそばかと迷っていたが、
ご飯少なめの天丼。
美味しいと食べながら、
こちらのそばを見ている。
「ひと口、どうぞ」と言うとニコリ。
食べ終わる頃、奥さんと雑談。
「Hさん、同級生でしょう?」
またひとり、共通の知り合い。
奥さんは、高校の大先輩。
昨年、来た時、
たまたま4人のうち3人が後輩だった。
サラリーマン時代から通う人の消息を聞いたりも。
いつもにこやかな旦那さん。
そろそろ帰ろうと立ち上がると、奥さんが指差す。
「もう明日は3日、あと1日で飾るのもおしまいです」
小さなお雛様。
年を重ねたお雛様だと言う。
2人は、楽しそうな話をしているみたいだ。
「私たちも、こういう夫婦になれたらなあ~ なんて」と笑う。
お雛様の傍に、小さな繭細工の可愛いぼんぼり。
お椀は、秀平塗だった。
小さいながら、品のいいお雛様。
家の中には、雛壇を飾っているそうだ。
雛飾りを楽しんで店を出た。
外へ出て、
明日の確認をしながら、愛染横丁を歩いた。
横丁を出ると別の方向。
別れ際、
「どうしたらあんな優しい味になるんでしょうかね~」
とこっちを見る。
「あの夫婦、そのままの味なんじゃないかなあ~」
いつか、御主人と奥さんに、
じっくり味の話を聞いてみたい。