I Believe in Little Things — Diana Panton
<音楽が流れます、音量に注意>
ちょっとした打合せは、よくカフェで。
その日は蔵をそのまま活かし、
落ち着いた雰囲気の茶廊「車門」にて。
2階に上る前、カウンターのマスターが言った。
「深煎りですね」
順調に打合せは進む。
まあ、一方的に相談みたいなもの。(笑)
いつもの深煎りの珈琲
北国の街、盛岡の人口は約30万。
都市規模の割に、珈琲の焙煎やカフェが多いと思う。
それぞれに個性的で魅力がある。
この車門も遡るときりがない。
「盛岡の珈琲文化」と言いたい。
勿論、京都や神戸など西日本、名古屋などには敵わない。
ただ東日本をみれば横浜、札幌に並んで盛岡も多い。
弘前で、「藩士の珈琲」という名前で、
昔ながらの珈琲が復刻。
数年前、一度だけ飲んだことがある。
北東北の珈琲の歴史も古いようだ。
ただ、当時は薬効的な物とみていたらしい。
雑談になり、ある女子学生の話を聞いた。
ドアの向こうが見えない店には入れないという。
歴史のある喫茶店や呑み屋のカウンター。
本やテレビの世界。
独り、そこに座り、
「いつものですね」と言われてみたい。
カウンターに座る「常連」に憧れるらしい。
学生時代、東京で暮らし始めた頃、
「珈琲を飲もう」という昼下がり。
開いている店が目の前にあっても、
夜の雰囲気が漂う看板を見ては通り過ぎた。
今は、スタバなどオープンなカフェが目立つ。
昔より、一層敷居が高いのかもしれない。
ここでは、今も若いカップルをよく見かける。
彼らは、何を話して笑っているのだろう。
あの頃の心情。
今度、古い友達と会ったら酒の肴にしてみよう。
肩に届く、長い髪の青春時代の忘れかけていた記憶が、
沸々と蘇ってきそうだ。
車門を出ると、
「では、よろしくお願いいたします。」
いつものように、それぞれの次の用事へ。