Lady Bird · Chet Baker
<音楽が流れます、音量に注意>
Sさんと食事。
盛岡市菜園の「珍萬」へ。
このところ、盛岡は天候不順。
雨が降り、ちょっと晴れては、
また雲の下。
Sさんは、寒い寒いと熱々の「みそラーメン」
先に出てきた。
「アツアツのうちにどうぞ」と言うと、
「では、遠慮なく」
「お~美味しそう!」
斜め向かいから、
香辛料のいい匂いがしてくる。
Sさんは、
「深いコクありスープだなあ~」とニンマリ。
2人の間に、
「海老ニラ饅頭」
取り皿でシェア。
バリパリ、カリカリの後に期待どおりにジューシー!
頷き合う。
2品目は「イカと木耳の炒め物。」
食感を楽しむ。
野菜たちも美味しい。
冷え冷えの冷風麺の登場。
金華ハムと間違った珍萬のチャーシュー、
海老、蟹、蒸し鶏、錦糸卵にキュウリ。
そして大好物のクラゲ。
眺めているだけで、幸せ気分。
豪華な具をキレのいいスープが纏める。
酢が効いてるが、ほどよい甘さもあり、
いつも飲み干してしまう。
固めの麺が、またいい。
色々な食材を活かすマスターに感謝したくなる。
Sさんが「美味しかった」の後に、
「もう冷風麺の季節なんですね~」
「珍萬では季節を問わずやってますよ」
「へぇ~もう少し暖かくなったら、絶対、食べに来ます」
店を出て、
反対方向に帰るSさんに手を振った。
夜風が冷たい。
「ランチは冷風麺で、夜はまだ味噌ラーメンがいいかも」
などと歩きながら思う。
若い頃、中華料理と言えば円卓。
横浜の中華街で、
叔母夫婦に御馳走になったことがある。
叔父とは始めての会食で、
遠慮がちに食べていた。
すると叔父は、取り皿に自分達の分を載せ、
残りをくるくる回してきた。
「全部、とりなさい」と言う。
隣で叔母が微笑んで頷く。
食べながら何を勉強しているかと聞かれ、
「1年たっても教科書は、とても綺麗です。」
などと言った。
笑い声が絶えなかった。
次々と出てくる料理を食べ尽くした。
「あと、食べたい物は?」と叔父が聞く。
「中華そばが食べたいです」
と言ったら2人は一瞬、固まって笑った。
その夜は泊めてもらった。
家に向かう途中、
駅近くの小さな中華料理店に寄った。
叔父たちはビールで、
中華そばを頼んでくれた。
あの頃は、よく食べた。
辺りを見回すと繁華街は閑散としていた。
早く、賑やかな街を歩きたい。