TOMMY FLANAGAN Trio - Angel Eyes
<音楽が流れます、音量に注意>
薪が燃えるのを見ていると忘れてしまう「時の流れ」
<その日の風光舎のケーキ>
バナナとクルミのケーキは、中がしっとり。
口の中で、ほのかにバナナの甘みが広がる。
美味しい。
そして、いつものように珈琲は「ケニア」
口あたりがよく、深いコク。
ひと口ごとに「ふ~っ」と漏れる吐息。
忙しい日々、顔のこわばりが緩んでいく。
珈琲の魔力。
席数が減り、その日は窓側の席に先客。
でも、真ん中もいい。
思えば、自然に珈琲を飲みに行く場所が決まっている。
何かを始めようとする時、「いなだ珈琲舎」にいる。
打合せには「茶廊 車門」や「一茶寮」が多い。
ちょっと喧騒から離れたい時は「オーロラコーヒー」やここにいる。
部屋でゆっくりしたい時は、「クラムボン」へ買いに行く。
もりおか、そして近郊には個性的で魅力的な珈琲店が沢山ある。
関西などにはかなわないが、多い気がする。
冷えてくると、珈琲でひと休みしたくなる。
「風光舎」の窓は、四季を写す額縁のようだ。
その日、
岩手山の頂上を西から雲が覆う。
あの雲は、北西の風を連れてくる。
もう外は、風が強くなっていた。
頂上に、あんな雲がかかるとスキー場へ行くのを諦める。
30代になつてスキーを始めた。
その頃は、リフトが動いてる限り、車にスキーを積んだ。
風に強かったのは、
田沢湖高原スキー場と奥中山高原のスキー場だった。
学生時代、友達とアルバイトをしてスキーを買った。
冬に故郷に帰るとバスに乗り、スキー場へ。
ある日、勢い余って大転倒。
外れた右脚の板のエッジが、左足の内側を削った。
当時、外れた時の滑り止めは紐。
スキーを本格的に始めたのは、30代の半ば。
指導員の方達にも教わった。
2シーズン、プルークだけ、併せて100回近い。
「全ては基礎だ」と言われた。
平日、仕事を終えるとスーツにネクタイの上にスキーウェア。
仲間とナイターへ。
基礎がしっかりすると小回りまで楽にできた。
はまってバッジテストにも。
一昨年はゼロで、昨年は一度。
今年は、何度ゲレンデに立つのか・・・
あの頃のエネルギーは、燃え尽きかけている。
オーナー夫婦と立ち話をして外に出た。
「ゴゴォ~ゴゴォ~」と森が唸る。
葉を落とした樹々が大きく左右に揺れる。
こんな時、決まって宮沢賢治の世界を思い出す。
「ゴゴォ~」
風がやむとその辺に風の又三郎が立っていそうだ。
冷たい風の中、しばらく空や揺れる樹々を見ていた。
「ゴゴォー」
森が揺れる。