LOVE IS BLIND Janis Ian
<音楽が流れます、音量に注意>
ある方から美味しい「もなか」をいただいた。
滋賀県大津市「叶匠壽庵」の「大石最中」
子どもの頃、最中は苦手。
口の周りに皮がくっついて手で拭いた。
そして甘すぎると思っていた。
大人になり、ある人の家で出された最中を美味しいと思った。
それから、緑茶と合わせ、最中を好む様になった。
「大石最中」を二つに割る。
現れた粒餡は、光を受けて輝いた。
皮も餡と離れずに舌にのる。
丁度いい甘さ。
唇には何もくっつかず、皮の欠片も零れない。
食感と触感も心地良い。
美味しい。
直ぐに、「滋賀県大津市、「叶匠壽庵」の大石最中とググるのだが。
ゆっくりと後で調べようと思った。
琵琶湖のほとり、
一度だけ見た近江の光景が目に浮かんだ。
今は、美味しさの余韻に浸っていたい。
どうしていつもと違ったのかは、分からない。
そして、頭の中、耳の近くに浮かんだ曲がジャニスイアンのLOVE IS BLIND。
でも、盲目になるのは、恋だけではない。
二日続けて川縁を歩いた。
川の浅瀬のせせらぎが心に響く。
こんなにも心地良い音だったとは。
サギの羽ばたきに目を奪われ、シャッターを切る。
舞い降りたサギは、悠々と歩く。
高い太陽の陽射しが、川の淵を海のように碧く染めた。
普段、こんなに広々とした緑がある事も忘れていた。
小径からそれ、草地を歩く。
足首の「さわさわ」は、子どもの頃に遊んだ堤防の草の感触。
組織から離れ、
日々の暮らしにゆとりを持っていたつもりだった。
気がつくと川のせせらぎは聞こえず、
鳥の姿も目に入らない。
さほど広くない川だと思い込んでいた。
何かに追い立てられ、どこかじりじりと焦っている様な日々。
長年、社会人として仕事仲間の後輩に話してきた。
「一番の敵は、焦りだ」
とても丁寧な仕事を思わせる最中を食べながら、
「自分の敵は自分」と誰かの話を思い出した。
まあ、何かを食べながらは仕方ない。
「盛岡食いしん爺」を名のっているのだから。(笑)