You And I · Stevie Wonder
<音楽が流れます、音量に注意>
「鈴徳でございます」
「本マグロの中オチ丼、テイクアウト出来ますか?」
「テイクアウトは、やってますが中オチ丼は、今日は終わりました。」
「では、海鮮丼二つで」
「はい、大丈夫です!ありがとうございます!」
電話の後、二十分ほど経ってから鈴徳さんへ。
打合せの合間、片道数分の散歩。
戻るとテーブルの端を片付け、お湯を沸かしていた。
とても気が利く男。
さて、休憩と夕飯。
<「鈴徳」さんの海鮮丼>
食べ始めると二人の男は、夢中で割箸を動かす。
ふと彼が顔を上げ、
「美味しいっすね」
と言う。
「うん」
と頷き、また黙々。
ものの七、八分で完食。
チラリと見たら、彼はマグロからだった。
自分は、いつもの様にイカから。
食べ終え、彼の淹れたお茶を飲みつつ休憩。
「美味しかったですね、流石に老舗の魚屋さんですよね」
と言う。
「魚の組み合わせもいいし、ビジュアルもいい」
などと話していた。
すると彼が真面目な顔つきになって話し出した。
「今はコロナでテイクアウトが盛んですが、昔はよく出前でしたね~」
頑丈そうな自転車、片手にブリキみたいな箱。
それが、だんだんバイクになり、七、八人分も楽々。
残業していると、
「電話しますよ、頼む人は言ってください!」
一番若いスタッフの役目。
しばらくして、打合せテーブルに置かれる数々。
チャーハン、ラーメン、焼きそば、餃子定食などなど。
みんな釣銭の無い様に準備。
ワイワイと食べる日もあり、仕事が逼迫していると黙々。
あっという間に食べ終え、
簡単に洗って玄関先に皿や丼ぶりを重ねた。
今、若者たちはコンビニへ向かう様だ。
コロナ禍で「テイクアウト」がトレンド。
店に受け取りに行ってひと言ふた言。
互いに「ありがとうございます!」
今は、WithコロナやAfterコロナと言われる。
テイクアウトは、まだまだ続くのだろうか?
それともワクチンが出来たら、また元に戻るのだろうか?
これほど世界が混乱し、経済に打撃。
いったいどれだけのお金を費いやしたのだろう?
せめてコロナから色々と学んでおきたいと思う。