盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意して下さい。>
盛岡から14時過ぎ、国道46号線を西へ。
雫石を過ぎ、奥羽山脈の懐に入ると、行き交う車が少なくなってきた。
道を大きく曲がるたびに標高は高くなる。
仙人峠を抜けると、秋田県。
道は下りになり、幾つかのトンネルや橋を走る。
最後のトンネルを抜けれ視界が一気に開ける。
田沢湖町を通り乳頭温泉を目指した。
真っすぐな長い坂を上り終える辺りで、
駒ヶ岳を背にした広大なスキー場が見えてくる。
白樺の林の新緑が綺麗だ。
Sarah Vaughan - Speak Low (Live @ The London House)
<音楽が流れます、音量に注意>
田沢湖高原温泉郷に入る。
もう標高は700メートルぐらい。
山々に囲まれた田沢湖は、いつ見ても神秘的だ。
水が消えたなら400メートル以上も深い谷。
もっと奥へ。
道は細くなりカーブが続く。
ブナの森の緑が清々しい。
風は冷たいが窓を少し開けた。
乳頭温泉郷。
途中で左に曲がって進むと、
人気の秘湯「鶴の湯」。
真っすぐ走ると、国民宿舎があり、
奥へ続く細い道がある。
その先に黒湯、孫六と野趣あふれる温泉がある。
国民宿舎を右に見て2車線の道を奥へ。
すぐ妙の湯、大釜と続き、道の終点に蟹場温泉。
この辺りの標高は800メートル近い。
昔話の様なものだが、
乳頭温泉郷に小さなスキー場があり、
30数年前の記憶では11月半ばに滑ることができた。
はっきり覚えているのは、
勤労感謝の日に職場の仲間と車の上にスキーキャリアをつけて滑りに来た。
秋田県に入ったが雪がなく、「ほんとうに滑れるの?」
とスキーウェアを着て不安げに言っていた。
スキー場に着くと、あちこち草が出ていたが、多くの人が滑っていた。
今は懐かしい思い出。
今日は大釜温泉にしよう。
温泉を選ぶ楽しみはちょっとした贅沢。
大釜の建物は廃校を移築、改修したもの。
どこかで見たことのある様な懐かしさがある。
4時丁度に入り受付で聞くと、4時半までに上がればと言われ。
「だいじょうぶです。」
と答え風呂に向かった。
内湯で温まり、露天風呂へ。
新緑が目の前に迫る。
ここの雪見風呂もいい。
風呂から上がって4時25分。
「相変わらず、いい湯でした」
と言いパンフレットを1枚もらった。
<大釜温泉のパンフより>
スマホで検索すると、
田沢湖町の蕎麦屋が閉まる前に行ける。
駅は、秋田新幹線も停まる。
少し寂し気な街に現代的な建築物。
賑わいの起点となる願いが込められている気がした。
向かいに駅舎とは対照的なデザインの駅前物産館「田沢湖市」がある。
ここに目指す蕎麦屋がある。
特産品などが揃う産直の中にある十割そば処「そば五郎」。
かなり前に入ったはずだ。
入口に自動券売機が置かれていた。
朧げな記憶と違い広くなった様に思ったが気のせいかもしれない。
天ざるの大盛りにした。
待つ間、産直で買い物。
戻って来ると、天ざる大盛りが登場。
そうそう、このコシのある蕎麦。
蕎麦の風味も豊かだ。
大盛りは200円増しだが、なかなかのボリューム。
どんどん胃袋に収まっていく。
揚げたての天婦羅も美味しい。
海老や大きい椎茸のほかに山菜。
旬のワラビにミズ。
ミズの天婦羅は初めてだ。
閉店間際で店の方と少し話もできた。
田沢湖高原温泉郷にある「そば五郎」は、
旅館自体がお湯の関係で休んでいるそうだ。
5時半に盛岡へ。
出かけてから1時間半ほどで大釜温泉に着いたが、帰りは早く感じる。
雫石盆地に入る辺りから旧道の方を走った。
途中、田沢湖線の春木場駅でひと休み。
丁度、夕陽の中を電車が来た。
何年か前に見た田圃の水鏡。
息を飲む美しさだった。
秋田方面は久し振りだった。
この頃、こじんまりとドライブしていたが、
少し遠出もいいだろう。
翌日、産直で買った陸のキャビアと言われる「とんぶり」を食べた。
とんぶりは、今や大舘特産で「ほうきぎ」の実。
平安時代から薬用として食べられていた。
実を取り出し乾燥させ釜で煮る。
ふやかして実を揉み、皮を取り除くなどと、かなり手間がかかる。
昔は薬用だっただけに、
ビタミン、ミネラル食物繊維などが含まれ身体にいい。
醤油と酢を垂らして食べた。
味は感じないが食感が楽しい。
手間暇かけたものはゆっくり味わいたい。
また、秋田方面に出かけようと思った。