Gabriel Fauré - Apres un Reve, Cello and Piano

<音楽が流れます、音量に注意>

 

 

 

向日葵を見に行った

盛岡の隣町、雫石の御所湖畔にある公園。

着いたのは3時半過ぎ。

西の空から太陽が照らす。

後ろ姿の綺麗なうなじ。

しばらく見とれていた。

 

 

いつだったか、

宮城県の広い向日葵畑を見に行った。

道案内してくれた人が東屋みたいな場所で、お弁当を広げた。

その時、初めての「冷や汁」

沢山の保冷材に包まれていた。

見た目に少し構えたものの、食べ始めると夢中だった。

向日葵に纏わる想い出が次々に巡り出した。

 

 

黄色の群落は、

少し陽が翳ると一斉に表情が変わって見えた。

うな垂れた後ろ姿や横顔は、どこか切ない。

 

 

 

 

その日、

晴れ渡る午後の空は青く広かった。

でも仰ぐと、空は高く、遠く秋空の気配。

数々の災害、コロナや総理大臣の交代など気がつけば9月。

もうカレンダーは、残り4枚。

 

 

そのあと鶯宿温泉に行き、ゆっくり。

風呂から上がっても滲む汗を拭いながら、

薄暗くなった道を西へ。

国道から近いのに、急に山道になり、右は川。

さらに進んで引き返そうと思う辺りに「山人 夢や」がある。

看板は、木の影に隠れそうだ。

 

 

暖簾を潜る。

「こんにちは」

「あら、いらっしゃい」

先客は4人。

カウンターに腰を下ろした。

「ラーメンと味噌おにぎりにしようかな?」

「はい」 

「あの、今日は川魚定食はないですよね」

「ありますよ」

「おっ!」

岩魚の塩焼きを単品で追加した。

 

マスターが釣って来た岩魚。

焼くほどに立ち上がるイイ匂い。

 

 

数年前の豪雨で川が荒れ、しばらく竿止め。

しかし、今年から竿を持った。

だいぶ川を遡るらしい。

「少なくなったなあ~」

と少し視線が落ちた。

 

 

身が締まり崩れない。

塩加減も良く美味しい。

 

 

ラーメンを食べては、岩魚。

これはこれで、いい組み合わせ(笑)

自慢のスープ、麺も美味しい。

 

 

夢中で食べ、岩魚は頭と骨だけになった。

 

店では熊の話で賑やかだった。

お客さんが一度、車に戻ると乾電池を二つ持って来た。

熊などを追い払う爆音を出す機器が壊され、

電源の乾電池は、見たことのない姿に。

「熊に間違いない、熊もたいしたもんだぁ~」

そこを壊されると駄目らしい。

 

熊やイノシシ、ハクビシンなど昔からいたものの、

今ほど畑を荒らされなかったそうだ。

「ここ、十数年だなぁ~」と口を揃える。

 

 

マスターが言った。

「熊は、しっかり充電して行ったぞ!」

 

里山に慣れてしまった熊は、

どんどん人間界に入り込むらしい。

山の中に潜む熊は、人を見ると逃げるという。

ただ、子供連れの場合は違う。

マスターは、以前、山奥で熊と対決した武勇伝がある。

事なきを得たが、

目の前に立ち上がった熊の口の中は真っ赤だったそうだ。

奥さんが言った。

「その日、帰って来たこの人の両眼が、真っ赤だったの」

そして続けた、

「昔ならともかく、今は迫力も体力もないから、すぐ負ける」

ここでは、あっという間に時間が過ぎる。

皆の笑い声を背中に真っ暗な道を帰った。

国道に出ると、

普通の世界に戻って来た様な気がした。

 

 

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