スガ シカオ(SUGA SHIKAO) / 午後のパレード
<音楽が流れます、音量に注意>
盛岡から国道4号線を南へ走る。
花巻を過ぎ北上へ。
目指したのは北上の洋菓子工房・ケーキ屋「Shimizu」
米粉のケーキや焼き菓子の店。
新聞やネットで知り、気になっていた。
特に惹かれたことが2つ。
清水さんは、父の働く洋菓子屋で、高校生から洋菓子職人の道へ。
自分は父親の車には乗らず、自転車通勤。
仕事の始まりは6時でも30分前には着いていた。
自転車で1時間もかかる道。
そして、もう一つはアレルギーのこと。
長年、菓子職人として修業し独立。
家族も出来た。
ところがアレルギーが酷くなる。
それも小麦、大豆、卵などでアレルギーレベルも高かった。
しかし彼は諦めなかった。
そんなことを知り、一度行き食べてみたかった。
<シナモンの効いたアップルパイ>
シナモンの香りと瑞々しい林檎。
とても美味しい。
思ったとおり優しい味。
店で清水さんを見た。
若々しく意志の強そうな眼。
重ねるわけではないが、
自分も若い頃、
「生意気で、きつそうな眼をしている」とよく言われた。
本当の自分は、ふにゃふにゃなのに(笑)
<頑固おやじのクッキーシュー>
名前とビジュアルに惹かれた。
サクサクとした皮の中には、
甘さ控えめの品の良いカスタードクリーム。
きっと彼の「目指す人生の先」の様な気がした。
<洋梨のケーキ>
美味しそうだったが、ホールを見ただけで次回の楽しみに。
注文があると小麦などのアレルギーに対応したケーキも作る。
バースデーケーキやクリスマスケーキも。
苦しみを知るからこそ米粉を使って美味しく作る。
勿論、自分も独自に考え抜いた細心の対策をして。
アレルギーの子供達の笑顔が浮かぶバースにクリスマス。
店にはケーキの他に、
フィナンシェなど沢山の焼き菓子も並ぶ。
自分の夢を追いかけ、
挫折してもおかしくない局面を何度も突き破る。
諦めないこと。
いつもと違って彼に話しかけるでもなく店を後にした。
「何故だろう?」と自問。
2年前の夏、
「風邪気味かな、運動してぐっすり寝よう」
2か月ぶりに体育館で暴れた。
翌日、
左膝、右の手首、肘の関節が腫れあがり、
痛みで歩けなくなった。
そして今年の7月には、大学の附属病院に入院。
次から次へと襲ってくる身体の異変。
明日を考える気力も削がれていた。
そんな時知った洋菓子の「清水 活(いまる)」さん。
きっとこれからもアレルギーと付き合っていくのだろう。
ケーキを買いに来て良かった。
「美味しいケーキや焼き菓子」と「明日への意欲」をもらった。
コロナ禍で薄暗い世の中でも、
目を凝らせば、いいニュースは転がっている。
盛岡への帰り道、
「もう少し、自分の気力も充実したら、彼の話を聞きに行こう」
なんて思った。
たった今、安倍総理の辞意の話を聞いた。