Keith Jarrett Trio - When You Wish Upon a Star
<音楽が流れます、音量に注意>
「たまには、違うメニューでいきましょう!」
そうきたか。
先程「近頃、同じパターンに陥っている」と言われ否定した。
意見の食い違いの後だけに、
つい、構えて「そうだなあ~」
定番の焼肉の匂いと艶々の冷麺が遠のいた。
盛岡「ぴょんぴょん舎」稲荷町本店の駐車場。
一応、足並みをそろえて車を降りた。
テーブルに案内され、
開いたメニューをくまなく見た。
<プルコギとキムチのキンパ・韓国風海苔巻き>
少し戸惑っているこちらに、
向かいはキンパを食べてニンマリ。
では、ひと口。
海苔とゴマ油の風味がいい。
美味しい!
続け様に、もう一つ。
<ネギニラチヂミ・ミニ>
表面がサクサクで中はしっとりとして、
ネギとニラがいい!
メニューにはたいていミニがある。
<全州石焼ピビンパ・ミニ>
熱々でナムルや肉がご飯とよく合う。
お焦げがまた美味しい。
昔、母は、毎日の様に、
釜にへばりついお焦げをヘラで剥ぎ取り、
皿に載せてくれた。
カリッとして、お菓子みたいだった。
<雪濃湯(ソルロンタン)>
メニューには、
「牛コツを長時間煮込んだコラーゲンたっぷりの
ミルキーな魔法のスープ」と書いてあった。
小鉢をもらってシェア。
ひと匙ごとに味わい深く、疲れた身体に染みわたる。
昔は、焼肉の皿を何枚も重ね、〆に冷麺。
「ぴょんぴょん舎」ではご飯類も充実していた。
しかもミニがあり、色々な料理を楽しめる。
美味しい物を少しずつ。
なんだか、勝手に得した気分。
病み上がりには、なおさら嬉しい。
今度は、庭で、
仕上げにスイーツとクラムボンの珈琲で、
ゆっくり夏の夜を楽しみたい。
そもそも、ここは、
そんな場所なんだろう。
「どうでした?」
分かっていて聞いてきた。
「参りました」と素直に笑ってペコリ。
どこか決めつけがちのワンパターンに染まっていた。
見上げると、
雲間からかけ始めの月。
小さく呟く「ありがとう」