At Who Taught Hajime Inao
<音楽が流れます、音量に注意>
by 仲間の若きJAZZピアニスト<Hajime Inao>
「もしもし、すいませんテイクアウトできますか?」
「はい、勿論です」
しばらく行ってない鮨屋「ほそ川」さんに電話。
その夜、近くで打合せをしていた。
2年ほど前までは、
宴会の二次会で、よく小上がりに座ったものだ。
30分ほどして受け取りに行った。
コロナにもめげずに、
親方夫婦は元気で嬉しくなる。
<ほそ川の折詰>
綺麗に並んだ一つ一つのネタを味わう。
食べる度、大将と女将さんの顔が浮かぶ。
ネタと鮨飯がピッタリして美味しい。
思えば、鮨屋さんのテイクアウトは昔から。
折の持ち帰りは、酔ったお父さんの罪ほろぼし(笑)
紐を持つ手が揺れながら「ただいま!」
ちゃぶ台に置かれた折を子供達が囲む。
「オレは、いいから、皆で食べなさい」
開けると美味しそうな魚の匂い。
びっしり詰まった鮨を手で。
昭和の家庭のワンシーン。
今、テイクアウトが大流行り。
鮨屋さんは慣れたもの。
<お稲荷さん>
ほそ川のお稲荷は、
小振りなのでひと口でいける。
ちょっと甘めながら、ジューシーで美味しい。
続けて2、3個食べてしまう。
たぶん、着物姿の女性でも摘まみやすく、かな?
生姜も自家製かな?
美味しいガリだ。
古い街、八幡界隈。
盛岡八幡宮に向かうメイン通りに交差したり、
平行にと沢山の路地が残る。
今では飲食店も少なくなったが、小路の所々に明かりが灯る。
コロナにも負けず、再び暖簾が下がる。
昨年の冬、
この路地で立ち止まっていたお爺さん。
ビニールに入った鮨折を持っていた。
帰るか、はたまたもう一軒か?
道端で迷う千鳥足。
昭和は、路地で呼吸していると思った。