午後3時過ぎ盛岡の街を出た
西へ向かった。
日が長くなってきたとはいえ、まだ3月。
暮れかけてきた田沢湖が見たくなった。
途中、峠の茶屋のおでんと中華そばに後ろ髪惹かれつつ、
通り過ぎた。
思いついて、1時間ほどで着いた。
湖に沿って車を走らせる。
紅く染まり始めた湖を眺めている人たちがいた。
ないだ湖面を鏡に、見事な逆さ「駒ケ岳」
静かで美しい景色に息を飲む。
この湖は、訪れるたびに、色々な顔を見せてくれる。
中でも好きなのは、夕暮れ時。
広くなった場所を見つけては、何度も停まる。
太陽が隠れると風は急に冷たくなる。
いつか熱い珈琲を片手に、陽が落ちるまで眺めてみたい。
その後、田沢湖高原の水沢温泉へ
露天風呂から眼下に拡がる光景は、どんどん暗くなり、
湖が夜の闇に馴染んで消えた。
代わりに輝く星。
「星空が綺麗ですね」
広い露天風呂に、もう一人入っていた人が言った。
声をかけてくるのは、たいてい地元の人じゃない。
クロスカントリーをしに田沢湖高原に来たという。
福島の猪苗代界隈は、雪不足。
その日は天気も良く、満喫したそうだ。
来たかいがあると満足げだった。
盛岡の街に帰っても身体は温もっていた
国道46号線沿いの「ぴょんぴょん舎」に入った。
迷わずユッケジャン「辛温麺」にした。
なんだか、コクのある辛さが欲しくなった。
美味しい!
温もった身体に、さらに追い打ちをかけた。
身も心も元気になった気がした。
夕暮れ時の田沢湖と魅惑の紅の辛温麺。
引き込まれる光景と美味しい物の組み合わせは最強。
今夜は、もう少し仕事をしよう。