<音楽が出ます、音量に注意>
マスターが珈琲豆の箱を空ける。
一気にカウンターの辺りに広がる香り。
グラスに注いだばかりのウイスキーの様な香りに身を乗り出してしまった。
「飲んでみます?」
にやりとこちらを見たマスター。
「勿論!」
ベトナムの豆だという。
色々と説明してもらうが、早く飲みたい。
じっと淹れるのを見つめていた。
口の中で広がる風味。
酸味の次にやってくる心地良い苦味。
フルーティ感覚と言うのかもしれない。
マスターに言った。
「ウイスキーを隠してるみたいですね~ 5時からバーになったの?」
2人で笑う。
マスターは夜の曲に変えた。
雰囲気は上々。
珈琲を淹れ始めるといよいよ香りは広がって。
そして、生チョコとよく合う。
珈琲が少し冷めてくると味わいが変る。
最後のひと口は、喉越しがいい紅茶みたいな気がした。
ベトナムからやって来た珈琲を飲んだのは4番目の客だった。
季節ごと色々な味を楽しませてくれる「いなだ珈琲舎」
人によって、酸味のある珈琲は苦手だという人もいる。
実は、かつて自分もその部類だった。
しかし「オーロラコーヒー」で飲んだゲイシャの衝撃。
そして、今回、平凡な舌の自分でも感じたベトナムの衝撃!
また新しい味との出逢い。
この豆には、1年近く熟成させるなど独特の製法によるらしい。
2度目ならマスターからの説明もしっかり頭に残るだろう(笑)