Nova - Insensatez (How Insensitive) - Antônio Carlos Jobim
<音楽が出ます、音量に注意>
<盛岡の夜>
南大通りを車で通るとしばらく前に、
閉店したはずの店に暖簾と灯り。
風に揺れる赤提灯。
眼を疑った。
もう一度通った。
「やっぱり、点いている」
近くの駐車場に停めた。
ちょっとした不安とワクワクが行き来する。
右側だけ開く戸も一緒だ。
「いらっしゃい!」
老夫婦ではなく、若い男二人。
先客もいた。
「あの、いつからですか?」
「日曜からですから、ちょうど一週間です」
「前の親方とは」
「特に関係はないです。でもレトロな雰囲気がいいので、そのまま」
カウンターに腰かけた。
店の中もそのまま。
親方のカツの豚肉を叩く、ドンドンと言う音が聞こえてきそうだった。
メニューは、すっかり変わっていた。
聞けば南仙北の「ぶんぶん亭」がここにも開店したとのこと。
串揚げがメインの様だ。
車なので、ご飯。
<並ぶ、熱々の串揚げ>
最初に「ナス」
ナスを噛むと瑞々しい汁が口の中に広がる。
とても美味しい。
アスパラ、海老は塩で。
豚バラもジュシーだ。
ご飯がすすむ。
店の中は何も変わりない。
昭和の空間が確かにある。
若い男の人が一心に串を揚げる。
揚がる油の音が小気味いい。
牛カツも小振りで自分には丁度良い。
色々な味を楽しめる。
サクサクの玉ねぎもいい。
「なるべく、このいい雰囲気を残してます。」
盛岡の中津川を東に渡ると古い街並み。
店をたたむ知らせもあるが、
新しい店を若手が開ける事もしばしば。
嬉しくなる。
「今度は、一杯やりに来ますね」
「お待ちしています」
今夜はかなり風が冷たい。
今朝は、氷点下7度、明日も寒いらしい。
ちょっと嬉しい夜は更け行く。
まてよ、前に串揚げを食べたのは、いつだったろう?