Flávio Venturini - Noites com sol
<音楽が出ます、音量に注意>
暗くなって小雪ちらちら
用事を終え、高島屋で「おはぎ」を買って来た。
駐車場に車を停めて「おや!」
ヘッドライトに浮かび上がる季節外れの白い花。
綺麗だ!
「なぜ今頃?」
近寄ると枝や葉先に凍りついていた雪のせい。
錯覚と気づいて家に。
路地の日陰に残る雪は、昼に溶けてシャーベットに。
冷えて凍り、不整地。
歩くと靴底から氷が砕ける音。
盛岡の真冬は、
片栗粉の様な雪がキュッ、キュッと鳴いたものだ。
近年は湿って重い雪ばかり。
<暖かい部屋で、高島屋さんの「おはぎ」>
粒餡が好きで、パクっと。
いい具合にしっとりして甘すぎず期待どおりの味。
ペロリと一個。
「う~ん美味しい」
「ぼたもち」と「おはぎ」は、違うのかな?
ググる。
諸説あってよく分からない。
食いしん爺的に、
彼岸に作り、
春は「牡丹餅」から「ぼた餅」
秋は「萩の餅」から「おはぎ」という事に。
昔は大きな皿に沢山。
「おはぎ、出来たよ!食べなさい」
彼岸の墓参りの後、母方の実家に親戚が集まり、
台所は女性達で姦しい。
じわじわ広がる小豆を炊く匂い。
子供達は、お腹を空かしておはぎを待つ。
昔は、四季折々に親戚がよく集まった。
子供達は、走り回ったりトランプしたり。
広い家中が賑わう。
夜になり解散が近づくと祖父母を囲み記念撮影。
カメラを扱う人は、いつも叔父さんでタイマーをセットして小走り。
家への帰り道、
疲れ果てた妹をおんぶする父の背中。
もう一度、のってみたいと思った小学一年生。
今や祖父母は勿論、父母も伯母も従兄まで違う世界に。
たまには、おはぎを食べて、
十数年、いや二十年は見ていない光景を想いだすのもいい。
しかし、日本の暮らしはだいぶ変わってしまった。
そんな事を想いつつ、
気がつけば、三個目を狙って伸ばした手を引っ込めた。