<音楽が出ます、音量に注意>
よく母に言われた
「あなたは、おなかがすくと機嫌が悪くなる、気をつけなさい」
「たいていの人は、そうさ」
つれない返事ばかり。
私が30代半ばで、母は逝ってしまった。
止まった母をとうに追い越したが12月になると毎年、想いだす。
その夜、盛岡は雪がチラチラ。
朝昼兼用で軽くすまし、あちこち歩き回ったせいで、
7時半を過ぎる頃には、かなりの空腹で街を歩いていた。
glassto(グラスト)と言う店の前を通りかかった。
誰かが美味しいと話していた。
まだ、入ったことがない。
立ち止まり、通りから少し入ってメニューを覗いていたら、
中の人と目が合った。
すぐにドアが開いて「よろしければどうぞ」と微笑。
脚が勝手に進む。
案内された席で、気さくな雰囲気ながら丁寧な説明。
一気に食欲に火がつく。
<八幡平マッシュルームのソテー>
八幡平マッシュルームがたっぷりでも飽きない。
自家製ベーコンから滲む旨味と塩加減が、
ホクホクのジャガイモとマッシュルームを包み込む。
とっても美味しい。
<佐々恵農園のグリーンサラダ>
野菜の味を活かすドレッシング。
もう少し食べたいと思った。
<自家製のパン>
十分発酵させているのだろうか、美味しい。
<キノコのグラタン>
ポルチーニの旨味とホワイトソースがマッチ。
グラタン好きにはたまらない。
<スパイシー鶏もも肉のオーブン焼き>
パリッとした皮と見てのとおり柔らかい鶏肉は活き活きと。
スパイシーでジューシー。
ヤーコンは、あまり興味がなかったが好きになった。
切り分ける前に、見せてくれた。
声が出そうになる。
それから、「秋鯖の塩焼きご飯」がとても気になり、注文を迷った。
相談すると首を傾げつつ、「次の楽しみにして頂いた方が・・」
とのアドバイスは、正解だった。
満腹で家に向かった。
自分の好みの味と出逢い、次回の楽しみもできた。
足取りも軽い。
頬を撫でる北風なんて、なんのその。