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先日、盛岡の鮨懐石「重兵衛」さんで太巻きを買ったという方に、

とある場所で味見させてもらった。

 

圧倒的な存在感。

 

<鮨懐石「重兵衛の太巻き」>

 



 

「作るのを見てましたが、とても手際がいいんです」

と感心していた。

重兵衛の鮨の上品さとは、また違って豪快に巻き込むらしい。

食べると口の中で、米の粒々が生きていた。

色々な味に混じって穴子もあり、とても美味しい。
 

 

 

 

口いっぱいに頬張りながら想う。

子どもの頃、何かある時に出てきた太巻き。

かんぴょう、卵焼きと桃色のそぼろに緑のキュウリ。

甘めの味だった。

小学校の一年生の遠足では一人、堤防の原っぱで食べた。

虐められていたわけじゃないが、なかなか友達ができなかった。

初めての運動会では家族と食べた昼ご飯にも稲荷寿司と太巻き。

5年生の誕生会に友達が3人。

その日もケーキの前に。

友達が来て母は、嬉しそうだった。

 

 

重兵衛の太巻きは、ひと切れでも食べ応え十分。

いただいて出かけた。

千手院の四季桜を見て、材木町へ。

 

<盛岡の千手院の四季桜は、沢山の花が咲き、次々と蕾が膨らんでいた>

 

 

材木町で用事が済んだ帰り道。

「そう言えば、郵便局前の四季桜は?」

この春、関西へ転勤になったFacebookの友達が3月末に、

咲いていると知らせてくれた。

盛岡は、4月に入っても雪が降り、薄紅色の花弁にも積もった。

木の下で目を凝らすと健気に咲いていた。

今年、2度目も雪がチラチラ舞っていた。

 

 

 

通りの片隅で冷たい風に揺れながら咲く小さな花。

枯れ枝に隠れ、殆どの人は気づかない。

スマホを翳す背の高い男を怪訝そうに見ては、

襟を立て足早に過ぎて行く。

それでも一本の四季桜は、まだまだ咲きますとばかりに薄緑の蕾。

ポツリ、ポツリと咲き続けている。

 

 

愛知県の豊田市では、

約2千本が紅葉と一緒に艶やかに咲き、花見客で賑わうそうだ。

山肌一面に咲く2千本あり、

北国の寺院の塀に、もたれかかる様に咲く四季桜あり、

道端に、ひっそりと咲く一枝あり。