<音楽が出ます、音量に注意>
ある方から大阪土産に「猫パン」が届いた
<ブルージン・ベーカリーのいろねこ食パン>
生食で食べてみたら、ほのかに甘く美味しい。
トーストしたら丁度いいふっくら感。
可愛らしくて飾りたくなるような猫パンは、あっという間になくなった。
サプレーもサクサクっとしてあっという間に消えた。
三分の一のチョコがいい。
後ろ姿に見えた。
「あのパン好きの人に味見させれば良かったかなぁ~」
しかし、欠片もない。
ひと息ついて鶯宿温泉に向かった。
駐車場で「猫バンバン」
北国では暖を求めて猫が車の下に入り込む。
時にはエンジンルームにまで入ることもあるらしい。
そこでフロントをバンバンと叩く。
雫石の街を抜けると秋田新幹線の「こまち」が、
暮れかけた田園の中をする~っと駆け抜けて行った。
雑木林の中を走っていると真ん中に大きな亀の様な塊に徐行した。
背中がふっくらと盛り上がり、大きな尻尾を身体に巻いていた。
少し先の道幅が広い所に止め、躊躇していると対向してきた車が、
斜め向かいの空地に止まった。
降りてきた女性は、枯れ枝で狸を突くとすぐ戻り、
二枚のレジ袋を手袋がわりにしてゆっくり近寄る。
すると軽自動車も空地に止まり、お祖母さんが降りてきた。
女性は、ゆっくりしゃがみ込みこんだ。
その時、対向して来る車が見え、外に出て両手を挙げて徐行を促した。
振り返ると道端の落ち葉の上に狸をそっと下ろしていた。
女性とお祖母さんの話し声がした。
「血も出てなくて、まだ温かいので生きてるかと思ったわ」
「可哀そうに、わざわざありがとうね」
二人は、こちらにも会釈し、それぞれの車に戻って行った。
近寄って見るとアスファルトは乾いていた。
湯加減の丁度良い温泉に浸かっているとあんな道端での似た光景が浮かんできた。
抱えた時の生温かく、猫より太めで粗い毛の感触。
しかし、それ以上は想い出せない。
実は気絶していて、今頃、狸は元気に森を跳ねているとしたら嬉しい。
額に滲む汗に、慌てて温泉から上がった。