<音楽が出ます、音量に注意>
真冬並みの寒い日、早起きしたら半分ほどの青空
銀杏の黄色は、一気に地上に降り積もり、車のフロントには薄氷。
エンジンをかける前に猫バンバン。
暖を求めて下に入り込む猫君に伝える。
久し振りに盛岡から国道4号線を北上
旧道を走り、寄り道しながらのドライブで一戸に着いたのは昼過ぎ。
一戸病院の跡地に車を止め、傍にある「常前食堂」さんへ初めて入る。
タンメンを頼んだ。
隣のテーブルにラーメンが二つ届いた。
紅い蓋の胡椒を振りかけると「ずる、ずる~」っと調子のいい音。
ラーメンも美味しそうだ。
<常前食堂のタンメン>
たっぷりの野菜の旨味がスープに溶け込んで美味しい。
細麺は、食べ進んでものびない。
美味しかった。
女将さんと話した。
一戸病院があった頃は、毎日忙しかったそうだ。
今は、一人なので500円の定食も売り切れ御免。
「家がほぼ築70年で食堂も同じなんですよ」
女将さんは4代目。
麺は、伊保内の製麺所のもので、
「なかなかのびないんです」
やはり、何か独自の製法があるのだろう。
昔の話を聞きながらの楽しいひと時。
外は低い雲から塵のような雪が舞い、
アスファルトの上をさらさらと流れるが、心身は温もっている。
近くの一守書店さんへ。
お客さんの合間に一守さんと少し話すことができた。
映画館だった萬代館でイベントを開催したり、街おこしに汗を流す人。
ざっくりとだが町のことを聞き「一戸町の歴史」という本を買った。
「読んでからまた改めて来ます」と告げた。
書店の向かいに、屋根の下を歩ける小店が残っていた。
町に入いるとすぐに駅が見えてくる。
線路が幾つも分岐し、昔、鉄道の拠点だった名残り。
一守さんが「国鉄時代には保線区などがあり、賑わっていた」と言っていた。
とても気に入った風景の一つ。
街は、生きている。
映画館として賑わった萬代館も今はイベントスペース。
景観は変わり続けるが、その土地の風土で育まれる心は残ると思う。
少しでも街の歴史を知ると街の輪郭がはっきりして、
暮らす人との話は熱く、濃くなる。
「中学生からお年寄りまで誰でも・・・」とあるものの、
なかなか読み応えありそう。
でも、一戸の街を知りたくなった。