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気になっていた「岩野響さんの珈琲」
15歳で珈琲の焙煎を開業、今17歳。
この冬、表参道にコンセプトショップもオープンするという。
テレビでも紹介されたらしい。
単純に、若い人がのめり込んだ珈琲の味に興味があったものの、
月日も流れ、正直なところ忘れかけていた。
ふいに、ある人から送られてきた。
アスペルガー症候群、自閉症などの事は詳しくは分からない。
それはそれとして色々な人の創る珈琲を素直に楽しみたい。
届いた包みは、丁寧に梱包されていた。
滅多に豆を挽く事はなかったが、いそいそと道具を取り出し、豆を挽いた。
キッチンに香りが漂い、美味しい珈琲の予感。
11月の珈琲豆に、オーナーからの4行のメッセージ
「相槌を打つ
埋め尽くされた意図
塗りつぶされた目的
切り立った常識はほつれるのだろうか」
香り高く美味しい珈琲を飲みつつ、湧き上がる想い。
自分は、書くことにしても体言止めの多用に気を配ったりと、
なかなか常識という境界線を越えれない。
誰に言われた訳でもないが見えない何者かを意識している。
目を凝らせば、猫君も同じ毎日の様で全く違う。
よく眠る日。
食べることより窓の外が気になる日。
突然のインターホンに驚く日。
もう少し経てば、ガラス越しに舞う雪に手を伸ばす。
限られた世界だが自由に生きている。
自分の雑誌が本屋さんの棚に並んでいる。
取材で時間を忘れ、かと想えば疲れた溜息を吐く。
しかし、何か表現できるという事は幸せなのかもしれない。
珈琲の世界を通じて色々な人に繋がり、様々な文化に触れ、
自分の日常を表現している岩野 響さん。
学校生活での多くの苦悩を経て、解き放たれた輝き。
これからが楽しみ。
二杯目をカップに注いで、
「さて、もう少し自分で引いた境界線を越えてみようか?」
と十代の彼からの刺激を飲み干した。