<音楽が出ます、音量に注意>
北上での用事が早く終わり、寄り道
国道107号線の道の駅「錦秋湖」まで行ってみよう。
道は、しばらく西へ真っすぐ伸びてから奥羽山脈の懐に入る。
そう言えば、母が話していた。
妙に真剣な面持ちで「紅葉の頃、一度は錦秋湖に行ってみなさいね」
歳月は、スルスルと流れ母の歳を追い越しても、まだ見たことがない。
カーブは急になり、曲がる度に迫ってくる山塊。
谷は深くなり、左に湯田ダムの堰堤が現れ、息を飲んだ。
水煙が立ち昇る大量の放水!
道の駅「錦秋湖」の向かいに臨時駐車場があり、シャトルバスが運行。
ドキドキして停留所に並ぶ。
数分乗ったバスから降り、
ダム堰堤の全貌が視界に入ると少し後ずさり。
放流される大量の水は、暴れる様に先に落ちた水を激しく打つ。
轟音と共に湧きあがる水飛沫。
人間に、激怒するような狂気的な水の力。
高所恐怖症で腰が引ける。
ちょっと大袈裟だが、すぐそこに生と死の狭間があり、恐いものを覗く感覚。
真ん中まで歩いて引き返した(笑)
途中まで下りてみた。
容赦ない水飛沫。
ジャンパーについてる帽子を被った。
濃紺の空が黒く変る時間のライトアップ。
人間が造ったとは思えない迫力に時間を忘れた。
車に戻るとシートにぐったり。
試験放流でさえあの迫力、豪雨の中の緊急放流はどうなるのだろう。
北上川水系のダムは、洪水を抑え電力、農業などに貢献してきたが、
最近のとんでもない豪雨の時を考えてしまう。
「母さん、紅葉は、まだだったけれど度肝を抜かれたよ」
興奮が冷めてくると空腹に気づく。
帰り道、北上で、「かけた」の唐揚げを買い、花巻の嘉治屋で蕎麦を食べた。
久し振りに圧倒され、騒いだ五感も、
美味しいとじ天婦羅蕎麦を食べ、車の中で唐揚げを摘まんでは、
日常に戻る。
※湯田ダムの秋の点検放流は、11月1日(金)までのまで月水金の予定のようです。(要確認)