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花巻からの帰り、夏に取材に行った大迫の「高鉱菓子舗」に寄り道

 

以前は遠州焼きと言ったが、今は「峰の山河」という銘菓を買いに。

大迫は、盛岡と遠野を結ぶ宿場町として栄え、周辺に金山もあった。

江戸中期に釜石付近で外国船が漂着し、フィリピンの「葉たばこ」の種子があり、

大迫に伝わり栽培された。

 

当時、国内で大迫でしか耕作されていない希少な葉で、

江戸時代半ばには、南部葉の刻みたばことして江戸などに出荷。

火持ちが良く、口荒れしにくいので江戸の花魁たちに喜ばれたらしい。

宿場町、金山と葉タバコで繁栄と財を成し、商家では競うように高価な雛人形を飾り、

子供達は、「お雛さん、お見せってくなんせ」と言いながら家々を回ったことが、

今の雛祭に繋がっているとのこと。

 

繁栄の大迫で、明治中期に近江商人だった初代が銘菓を作った

今も四代目が思いを込め一枚一枚、丁寧に十五分もかけて焼き上げる。

 

 

袋を開けると胡麻の香ばしさがふわり。

指に伝わるしっとり感に、美味しさの予感。

二つに割ると狐色に焼き上がった表面からは想いもしないもっちり感。

口に入れると胡麻の風味と餡が一つになり、胡麻がぷちぷちとして美味しい。

優しい甘さの上品なお菓子だ。

 

 

お菓子は繊細で、開けておくと乾き始め、しっとり感が薄れるそうだ。

 

店を出ようとして目にとまった「小麦饅頭」

 

 

見るからに美味しそう。

「沢山、特製の餡が詰まってます」と奥さんが言ったとおりだった。

皮は、しっかりとして餡を離さない。

もちもちして、ほどよい甘さ。

ペロリと平らげた。

 

 

 

父の実家が和菓子屋でお盆の頃、大きな饅頭を沢山作っていたが、

しだいに弟子たちもいなくなり、忙しい時は両親も手伝いに。

祖父は年を取って菓子作りを止めると、いつも正絹の着流しで炬燵に入り、

キセルを四角い木の灰皿に叩いていた。

 

小学生3年の冬

たまたま炬燵で二人きりになった。

殆ど話した事もなかったが、思い切って菓子作りを聞いてみた。

すると次々に話し出し、笑顔も見せた。

貰っていたお年玉に重ねてお札を差し出す。

受け取ると祖父は、にこりとした。

家に帰ってからお札を見せた途端、両親は息を飲んで顔を見合わせた。

二人にとって厳しい親だった。

返す返さないと争っていた。

なんだか、大人たちは面倒くさいと想った。

 

実際に大人になれば、やはり面倒な社会でもある。

 

 

 

宮沢賢治の童話「猫の事務所」のモデルだったとされる旧稗貫郡役所が移築され、大迫交流活性化センター展示館となっている。

 

 

 

 

<高鉱菓子舗も掲載されている「岩手 盛岡・花巻おみやげ手帳」>

 

盛岡の書店、花巻のマルカンビルなどや東京では、ジュンク堂書店池袋本店で販売。

ネットでは、イーハトーブ書店で取扱い中。

 

 

 

 

 

 

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