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「一茶寮」という蔵の二階のカフェ
蔵を改造し一階はギャラリーなどがあり二階は、広々とした落ち着いた空間。
盛岡の中津川縁を歩き疲れて、ここで珈琲時間。
改造した空間と想えない。
もともと「カフェを造るために建てた」と想わせる雰囲気。
灯りと光の話になった。
「どうして落ちくのかな?」
「よく分からないが、「光」のせいじゃないか?」
「そうなのかなぁ~」
「そうかもしれない、そうなんだ」と声には出さず、
一人、自分の推理に満足していた(笑)
先週、花巻市の猿石川のそばにある「成島和紙」の工房に行って来た。
丁度、道路向かいの山は赤ん坊の泣き相撲でも有名な毘沙門天がある。
旧東和町の成島和紙は、南部藩の御用紙。
庶民の間では、提灯や障子などに使われ、
江戸時代は五十数件の農家が副業として造っていた。
和紙の猫は、手に取ってみると、その軽さに驚いた。
見ているとしっかりとした重量感。
楮(こうぞ)の木が工房の土手を覆っていた。
工房のお母さんは丁寧に教えてくれた。
これが、和紙の原料の楮。
屋根裏にほぼ二年分の原料が積まれていた。
ノリとなる木「ノリウツギ」を探すのが大変で、花の咲く頃に山に入り目印をつけて置き、
育ったころに採りに行くそうだ。
この木を探すのがまた大変とのこと。
それでも地元の原材料を使って和紙をすいている。
「この障子は、手前の一枚が新しく、奥の二枚が古い和紙なんです」
「えっ! 古い方が明るいんだ!」
「そうなんですよ」
見ると古い方が断然、明るい。
張替えられた障子が、部屋に馴染んで行くほどに明るくなるとは素晴らしい。
科学の話はさておいて、古くからの人々の知恵に驚いた。
昔から、こうして光と付き合ってきたわけだ。
落ち着いた空間は、「光」が創るのだと想った。
柔らかな光の中で、気がつけはゆっくり珈琲を楽しんでいる。
「なるほど」
「えっ? なんか言った?」
「いえ、なにも」
おっと静寂な空間では、
小さな呟きも読書中の向かいの席に聞えてしまう。
でも、いつになく優しい口調である(笑)